きなりいろ3

エボニー ページ2

Aside

京セラドームでの強化試合も終わり、今度は東京へ戻る。
大阪駅は見に来た人でごった返している。

佑介「はぐれるなよ？」

『はぐれたくはないですけど...』

人とぶつかりながら進むしかなく、申し訳なくなる。

後ろの方からすっと近くに来た人影に、
ここにいていいの、とぎょっとする。

翔平「大丈夫？」

『え？あ、大丈夫です。』

ひとつひとつの言動に注目されていて、気をつけないといけない人なのに。

翔平「普通に危ないし、どんくさいから。」

小声で、でも痛いところをチクチクしながら小さく笑う。

一平「こらこら、また切り抜かれる。笑」

翔平「いいよ、朗希とはデビューしてるのに俺とのがないのは腹立つし。」

と言葉を落として進んでいく。

本当に大丈夫だから関わってくれるな、という願いを込めて
新幹線に乗り込むが大きいキャリーケース1つ、赤バッグ1つを同時に乗せ切らず、後ろから伸びてきた手によって
赤バッグも一緒に新幹線に乗り込めた。

『ありがとうございます。』

翔平「どーも。はい、進んで？」

そう言われて新幹線の奥の座席に座った。

そこには先にずんずん進んで行った佑介さんがどんと座っていて、恨めしくなりながら睨む。

佑介「お、遅かったなあ〜笑」

『ひどいです、私を置いて。』

佑介「ある程度は割り切ってぶつかりながらでも進むもんだよ、笑」

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