君にありったけの。 (ページ10)

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HJ side

ホテルに帰って寝る準備をしてから図録を開く。

すぐにAが何かを書いてくれたページに
いく気になれなくて、ペラペラと頭に入らない
絵画のページをめくる。

気づいたらもう最後のページで、
綺麗な、でも少し丸くてかわいいハングルが並んでいた。

"그때, 떨어뜨린 티켓을 주워서 좋았습니다.
현진 씨가 보여주는 세계는 분명 많은 아름다운이 가득 찼을 거라고 기대됩니다.
그때까지 서로 잘 지내자!"
(あの時落としたチケットを拾って良かったです。
ヒョンジンさんが見せてくれる世界はきっとたくさんの綺麗が詰まってるんだろうなって楽しみにしています。
それまでお互い元気に過ごしましょう！)

出会ってたった2日。

なのにすっとありのままの自分の中に入ってきたA。

それは、俺がアイドルって知らない人だからなのか、
それともこんなにもAが愛しいからなのか。

普段書くことがないだろうハングルを必死に書いてくれた
ことも、小さく猫？みたいなのが書いてあるのも
全てにくすぐられた。

"A、メッセージ見たよ、ありがとう。
早く来れるように頑張るね。"

メッセージを送ってから
いい夢が見れるような気がして
寝転んだ自分の頭元に図録を大切に並べて眠りについた。

朝起きてすぐにAから届いたメッセージを読む。

"私も見ました！感動です...大切にしますね！"

その言葉がまた嬉しくてひとりで頬が緩む。

帰るのは寂しいし、また現実に戻って忙しない日々が
始まると思うと正直言ってげっそりする。

でもSTAYのためにも頑張らないと、
とたった2日間の旅行なのに買いすぎた物を
バッグに詰め込んで韓国へ飛び立った。