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HJ side
待ちに待ったオフの2日を使って日本旅行。
メンバーたちも好きなところに旅行に行ったり
宿舎でゆっくりしたり。
ハニは宿舎から動かないだろうな。
たった2時間程度のフライトを終えて日本に降り立つ。
ホテルに荷物を置いてから慣れない電車に乗って
美術館を目指す。
ゆっくり周って気に入った大きい絵画の前で足を止める。
忙しない毎日の中で時間がゆっくり流れる美術館の
空気が心を落ち着かせる。
ぼーっと座って見ていたけど
ふと夕飯予約してたけど何時からどこだっけ、とか
図録も買ってそれも見たいな、とか
思い始めて席を立つ。
数歩進んだところで後ろから声をかけられる。
『あの、』
深めに被ったキャップからちらっと見る。
『チケット、落ちました。』
「あ...」
チケット、手帳に大切に貼ろうと思ってたやつ。
お礼もできないまま
女の子はぺこりと軽く頭を下げてからさっさと
展示室から出て行ってしまう。
ファンかと思ってあからさまに嫌な顔をしてしまったことに
反省しながらショップに行ってからカフェに向かうと
さっきの女の子を見つけた。
にこにこして店員さんに注文しているところを見て
意を決して近づく。
集中していそうだし...
と言い訳をしてテーブルを軽くノックする。
ぱっと顔を上げた大きな目としっかり合った時
なぜか言いたかった言葉が飛んでしまって。
どうにか感謝を伝えると
綺麗な韓国語だけどどこか舌足らずに聞こえる
綺麗な声で返された。
微妙な空気が流れたところで彼女の持っている図録が
目に入って思わず話を振ると
苦笑いしながら座りますか?と席を勧められる。
「えっと、いいんですか?」
『はい。あ、何か頼みますか?』
メニューを渡されて美味しそうなキャロットケーキと
アイスコーヒーを頼む。
食べ物が届くまでどの絵が良かったとか
他にどこの美術館が人気なのかとか
途切れながらも色々な話をする。
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作者名:み | 作成日時:2023年12月17日 22時