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HJ side
「いつ?何で?」
"就職先の本社が韓国にあって、本社採用になったので"
「そっか...俺この数ヶ月Aの声聞くだけじゃだめで
写真見るだけでも足りなくて。こっち来たら1番に会いたい」
"...2番でもいいですか?"
「え、誰に負けたの、俺」
男?としつこく聞くと女の子ですよ、って
くすくす笑う声が耳から入ってじわっとあたたかくなる。
"元気そうで良かったです。"
「何で?元気だよ」
"忙しそうだし、お疲れかなって。"
「今日もメンバーとご飯に来て久しぶりにお酒も飲んだし」
メンバーと言ってから、しまったと思う。
Aは気にもしていないようで
何食べたんですか?と食に興味がいってる。
それにまたAらしいなと少し肩の力が抜ける。
「Aがこっち来たらたくさん美味しいとこ連れて行ってあげる。」
"楽しみです!"
「だからさ、」
よそ見しないでね。
少しだけ喋って店に戻ると
いつも騒がしいメンバーがピタッと黙る。
「え、何?」
HN「スンミナが電話かけてくれたんだから感謝しろ」
IN「リノヒョンが誰かかけろって、笑」
CB「ヤー!ヒョンジナ!何話したんだ?ん?」
わいわいとすぐに騒ぎ出すハナたちを押しのけながら
席に戻る。
SM「で?アイドルだって知ってるの?」
痛いところを突かれて黙り込むと
黙って見ていたチャニヒョンがすかさず口を出す。
BC「恋愛禁止期間は終わったけど、アイドルってことは
忘れないようにね。それにヒョンとして応援はして
あげたいけど、ちゃんと伝えるとこは伝えなきゃ。」
真面目に静かに言うから
一瞬しん、と空気が冷える。
アイドルだから恋愛は、っていう諦めですらない感情と
それでも近くであの子を見てたい羨望にも似た感情と。
どうしたらいいか答えが出てないくせに突っ走る俺を
いい意味で現実に連れ戻してくれるチャニヒョン。
「ん、そうだね。」
俺の一言をしっかり聞いて
優しく笑うチャニヒョンに、じっと見てくるリノヒョン、
少し重たい空気をちゃらけて一気に明るくしてくれるチャンビニヒョンとハナ、肩を抱き頭を撫でてくるリクス、
ちょっとバツが悪そうな顔で罪滅ぼしのつもりかつまみを
俺の口に持ってくるスンミナ、ニコニコとかわいく笑う
イエナ。
どれをとっても大切でしかない。
「あー、幸せ者なんだね、俺」
HN「ヒョンジナが狂った!」
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作者名:み | 作成日時:2023年12月17日 22時