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BC side





STAYに会えると満たされた気持ちになるし、
やりとげた達成感もある。

でも、一度ステージを降りると虚しく、寂しくなる。

ライブを終えてホテルに帰ってからも
なかなか眠れなくて作業でもしようかと
パソコンを開くけどそれもはかどらない。

少し風にでも当たろうか、

きっともう寝てるであろうスキジギに
一応連絡だけしてみるけど、返ってはこないことを確認して
エレベーターに乗り込む。



ロビーで降りようとすると
エレベーターを待っていた人に目が行く。


BC「...何してるの?」

『わ!びっくりした!』


そう言って驚く君はすっぴんで

いつも薄めのメイクだとは思っていたけど
またそれとは違う、あの夜見たようなかわいい顔。


BC「ヤー、もう寝なきゃ。」

『大学の課題をしてたらこんな時間になっちゃって、
コンビニに行ってきたんですけど...』

BC「この時間に外にまで出てたの?」

『ごめんなさい。バンチャンさんこそ、何してるんですか?』


こっちの心配も知らないで。


BC「はあ...次からは誰でもいいから起こすかしなね。
俺もなかなか寝れなくて。」

『あ。自分だって1人で出ようとしたんじゃないですか?』

BC「あのね、俺は男だから、」


はいはい、と納得いっていないようにむっとする口。

初めて出会った時のAからは想像もつかないくらい
色んな表情が見れるようになったな、としみじみ思う。


BC「じゃ、おやすみ。」

『え、ここで私がスルーしたらマネオッパに怒られちゃいます。』

BC「ちょっとだけ、」

『これあげますから部屋に戻って寝てください。』

目の前に差し出されたのはコンビニのお菓子。

今降りてきたばかりのエレベーターに
ぐいぐいと押し返そうとするA。

大した力でもないけど、
今回ばかりは大人しく押されてあげることにする。


BC「またそんなに何買ったの?お菓子ばっかり?」

Aの部屋は1階下だから、2つの行先ボタンを
押してから袋の中を覗く。

『見てください!お菓子2つ買ったらもらえたんですよ。』

そう言って見せてきたのは
俺たちがついてるクリアファイル。

BC「あー、リノも買ってたな...」

自慢げに見せて、ふふっと笑う姿が愛しくて、
長い髪が影を落とすその顔をもっとちゃんと見たくて
手を伸ばした。

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yuri(プロフ) - この作品が大好きです!更新待ってます🫶🏻 (4月25日 19時) (レス) @page39 id: 1890c5fb44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2024年2月5日 22時

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