そばに (ページ36)

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BC side

数ヶ月ぶりの日本へ向けて旅立つために空港に向かう。

空港に着いたらカメラが待ち構えているから
Aは他のスタッフと一緒の車に乗ってくる。

ちゃんと向かってるかな、
人が多くて怖くないかな、怪我しないかな。

自分が無理やり着いてこさせたくせに
心配事だらけになる。

案の定車を降りたらすごい人だかり。

先についていたスタッフたちに混じって
Aの姿を見つけてさらに不安になる。

LK「Aが心配？」

猫みたいに静かに横に来て
いつものようにフッと鼻で笑いながら横目で見てくる。

BC「みんなのことも同じくらい心配してるよ。」

LK「へー？ふーん？」

BC「ヤー、変顔撮られるからやめな、」

煽るようにこっちを見てくるリノには
俺の言葉なんてひとつも刺さってないんだろうな。

サイドはスキジギたちと警備の人で固められながら
メンバーとゾロゾロ歩く。

『わ、』

心配していたAが、ちょうど通りかかったところで
押されて軽くぶつかる。

『すみません。』

どこうとするけど避ける場所なんてどこにもないから、

BC「大丈夫、先行って」

少し背中に手を添えると素直に歩き始めるA。

無事保安検査も通って、
混雑した場所から解放される。

『は〜...』

サラ「大丈夫？出国さえすればあとはここまでじゃないから。」

『帰りもこれってことですよね？』

サラ「それはまあ...そうだね」

げっそりしているAが不憫に思えてくる。

BC「ごめんね、」

なぜか申し訳なくなって出てきた言葉に
きょとんとするA。

『え、なんで謝るんですか？
貴重な体験をさせてもらいました、笑』

私も芸能人になったみたい、
といたずらっ子のように笑うから肩の力が抜ける。

FL「Aなら可愛いからなれるよ〜」

LK「お？関節がカチカチのやつが何になるって？」

以前カムバのステージ前に柔軟性テストと称して
遊んでいたリノたちが、そこでAの体の硬さを知って
時々こうやって揶揄う材料にする。

ああ、ほらまた。

顔を赤くして反論するからみんな君のことを
かまいたくなる。目が離せなくなる。

いっそのこと、誰の目にも入らなきゃいいのに

なんて思ったりして。