そばに (ページ33)

今日:24 hit、昨日:145 hit、合計:52,816 hit

32 ページ33

Aside

近い。

近すぎる。

普段は大切な仕事道具であるパソコンとスマホを側において
難しそうな顔をしていることも多い彼。

でもこうやって一度コンテンツの撮影が始まる前には
いつものニコニコした、人のいい顔で近寄ってきては
これやって、あれつけて、と距離を詰めてくるようになった。

今だってそう。

BC「A〜こっちのピアスつけて」

アクセサリーが好きな彼の方が
絶対にピアスをつけ慣れているはずなのに
片方だけ持って近づいてくる。
片方はきっと自分でつけたはずなのに。

『私不器用だから別の人の方が...』

BC「だいじょーぶ、だいじょーぶ。」

何が大丈夫か分からないけど
少し足を広げて立って私が届きやすいようにするバンチャンさん。

おずおずと近づいて
耳に触れるけど不器用が勝って少しもたついてしまう。

BC「あー、そっか。Aはピアスホールないんだね？」

ひとつにくくってある髪のせいで
簡単に私の耳に優しく触れる指。

意識をすればするほど手元はおぼつかなく、
耳は赤くなる。

BC「んふふ、また耳が赤くなってる。」

LK「ヒョン、弟たちが構ってくれないからって...」

いい大人が恥ずかしい、何歳なんですか
とじとっとした目で見てくるリノさん。

BC「そう思うなら構ってよ、リノヤ〜」

そう言いながらリノさんを追いかけて離れていく姿に
少しホッとする。

ここ最近の距離の近さに心臓が暴れてばかりだから
少しクールダウンしたい。

CB「仲直りしてくれて良かった。Aが逃げ回るから
機嫌悪かったし。」

まあ今度はその反動なのかハイテンションだけど、
と近づいてきたチャンビンさんが言う。

『仲直りっていうか...』

CB「まあでも、まだ良かったよ。あの時のチャニヒョンが
服着てて。普段は家で裸なんだから。」

カチン、と固まった私を見て
独特の笑い声をあげて去っていくチャンビンさんの
背中を恨めしく思った。