そばに (ページ30)

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BC side

Aを看病してから奇妙なことが起こり始めた。

BC「あれ？Aは？」

MG「あー、なんか今日はバスで行くって。」

バス？首を傾げる俺にため息を吐くチャンビナとハナ。

BC「あ、A〜、これなんだけど、」

『あ、オンニに呼ばれてるので...そこ置いといてください』

BC「A〜、みんなでご飯食べに行こうって、」

『今日はやめときますね。』

ことごとく避けられている。

最初はタイミング悪かったな、とか
乗り気じゃないんだろうな、とか思ってたけど
ここまであからさまに続くと流石にしょげる。

HJ「俺が知らない間に何かしたの？ヒョン。」

IN「Aもヒョンの暑苦しさがわかったんだね、やっと」

LK「あーあ。1回なくした信頼はなかなか戻らないよ。」

何も知らないであろう弟たちに責め立てられ、
急いでAの後を追うけどもうそこには居なくて。

CB「なんか本格的に可哀想。」

憐れみの目を向けてくるチャンビナに縋り付く。

BC「ねえ、何がいけなかった？距離の詰め方？」

べったり引っ付いて離れない俺を鍛えた腕で
ぐっと剥がしながら嫌な顔をされる。

CB「それを本人にちゃんと聞けばいいじゃないですか」

正論を言われてぐっと他の言葉を飲み込む。

ちゃんと話さなきゃ。

そう思うのに。

あんなに近くにいたはずのAが
近づこうとすると察したように逃げていくから
だんだんイライラしてくる。

ヌナに言われて物を取りに行ったAが戻ってくるのを
練習室の近くで待つ。

パタパタと戻ってきたAと目があった瞬間
すぐに逸らされたのが無性に気に食わなくて。

BC「A、ちょっと来て。」

『いや、今はちょっと...』

BC「ダメ。散々待ってあげたでしょ」

Aの手を取って作業部屋に入って椅子に座らせる。

握った手はそのままに

BC「俺が、その...距離が近すぎだよね？ごめん。」

小さな手がもぞっと動く。

『そうですね、、でもあの日はありがとうございました。』

この話は終わり、とでも言うかのように
俺の手を解いてドアに向かうAに
これ以上どうしたらいいか分からなくてもどかしい。

ドアを開けようとドアノブを握ったAの手を
後ろから覆う。

『わ！びっくりした、』

振り返ろうとしたAをそのまま後ろから抱きしめた。

BC「お願いだから...逃げないで。」