そばに (ページ21)

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BC side

宿舎までの車内でぼーっと外を見るA。

いつもと同じはずなのにどこか違うように見えて、
思わず1人分あいた席を詰めておでこに手を伸ばす。

『わ！何ですか？』

Aの声に振り向いた2人がわーわー騒ぎ出す。

HN「ヤーヒョン！」

CB「セクハラだ！」

BC「A、体調悪いの何で言わないの？」

何で自分を大切にできないの。
少しキツめに言ってしまって重苦しくなった雰囲気に
ハッとする。

BC「いや、ごめん。気づけなくて。」

『大丈夫です、気を使わせてすみません。
さっきまでは全然だったんです、ほんと、笑』

CB「明日は休みだからゆっくりしな〜」

HN「俺とヒョンで、いるもの買ってくるから！」

そう言って宿舎に着くや否や
「あー、あとなんか足りないと思ったらデザートだ！」
とコンビニに向かったチャンビンとハン。

BC「おんぶしてあげる。」

先に車を降りて少し屈むと後ろでワタワタしているのが
見て取れる。

BC「早くしないとお姫様抱っこだよ？」

それでもよければ、と言葉を続けると
大人しくおんぶされるA。

上まで上がってしまってるエレベーターをじっと待ちながら
大丈夫か声をかけようとして振り向くと
ゆっくりした呼吸と重みで眠ってしまったことがわかる。

その重みがすごく愛おしく感じて。

こうやって何にも、誰にも気負わずに
楽に寄りかかれるようになって欲しいとさえ思う。

ようやく到着したエレベーターに乗り込んで
ひとつだけ行き先ボタンを押す。

慣れたように宿舎のドアを開けて自分だけ靴を脱ぐ。

リビングを通って自分の部屋のベッドにAを横にして
から起こさないように靴を脱がす。

BC「...セクハラじゃないよね？」

不安になりながらも布団をかけて、
顔にかかった髪をどける。

すやすや穏やかに眠っているように見えるのに
閉じられた目からはぽろぽろと涙が出ていて。

どうしたらいいか分からなくて
眠っているAの肩を軽く揺する。

BC「大丈夫？A、」

それでも目を覚まさず涙が溢れてくるから
申し訳なさを感じながらベッドに乗り上げて
Aを膝に抱き抱える。

ぽんぽんと背中をゆっくりさすると
止まらない涙に肩がじわじわと濡れていく。

いつもぼーっと寂しそうな表情をしていても
近づくと何でもないように振る舞うから
こんなAに驚いてどうしたらいいか分からなくなる。