そばに (ページ19)

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Aside

元々よく寝る方の私はここ最近寝つきが悪くて。

そのせいでか、日中にウトウトとしてしまう。

ここ1週間くらい当たり前のようにレコーディングを見学して
一緒に宿舎に送ってもらう日々を過ごしている。

気づいたら夢の中にいることが多くて、
寝る子は育つって言うけど...そうでもないのか〜
とチャンビンさんに揶揄われる。

帰りの車に乗ってもまだ押し寄せてくる眠気に
必死に抗っていると、隣に座っていたバンチャンさんが
こちらを見ているのに気づいた。

BC「眠たい？膝かそうか？」

小さく優しい声が耳にすっと入ってくる。

「大丈夫です...」

膝をかすなんてグループ内ではよくあるんだろうか。
さらっと出てくる単語にびっくりする。

昨日と同じようにドライブスルーに寄るはずが、
明日は休みだしヒョンジンはイベントで外国に行ってて
宿舎にいないから今日はみんなで焼肉を食べに行こうと言い出したチャンビンさんの提案に乗ったハンさんとバンチャンさん。

ぼーっとひとりになりたかったのと
ほぼ常に一緒にいる現実への謎の抵抗とで
断ろうとした私を目が笑ってないバンチャンさんが丸め込んだ。

肉だ肉だと騒いで先に降りて行った2人の後ろを
バンチャンさんと歩く。

BC「これからもっとこうゆうことが増えるよ、笑
こっちの宿舎組は肉ばっか食べてるから。
Aは嫌いなものある？聞いてなかったよね、ごめん。」

そう言いながら覗き込んでくる瞳から
逃げるように目を逸らして笑う。

『ないです、大丈夫です。』

BC「そっかそっか、えらいね〜。」

うちの妹は...
前を歩くチャンビンさんたちを優しい目で見つめながら
妹さんの話を楽し気にする。

とことん温かい人なんだろうな。

きっと、人が好きで
自分の周りの人が幸せだったら嬉しくて。

向日葵みたいに温かい彼女がふと頭をよぎる。

BC「A？大丈夫？」

大丈夫です、と笑ってみせるけど
今の私はどんな顔をしてるんだろう。

きっと何気なく言ったバンちゃんさんの、これから
という言葉に未来じゃなくて終わりを見てしまう私は
どうしたらいいんだろう。