そばに (ページ13)

今日:45 hit、昨日:194 hit、合計:52,692 hit

12 ページ13

Aside

部屋に入って軽く荷解きしていると鳴るスマホ。

『知らない番号、』

諦めが悪く鳴り続けるから出ると、さっき聞いた声。

BC「あ、出た！バンチャンです〜」

『あ、お疲れ様です、Aです。』

BC「ごめんね、明日の予定とか伝えてなかったって
さっき気づいて、サナに連絡先勝手に聞いちゃった。」

『ほんとですね...何も思わなかったです、笑』

BC「ね、笑」

それで明日なんだけど〜と朝の出発時間を教えてもらう。

BC「サナが、」

何かを言いかけてうーん、ともごもごするのが
電話越しに聞こえる。

言いたいことが少しわかった気がして、
でも分からないふりをする。

『サナちゃんがどうかしました？』

きっとバンチャンさんも言いかけて
自分が話すことじゃないってストップをかけたんだろう。

BC「んーん。Aの連絡先教えてって言ったら
もっと大切にしてよって怒られちゃった、笑」

想像がつく。

『サナちゃんと仲良いんですね。』

BC「まあ、練習生の頃からだからね〜
JYPはみんな家族みたいなものだよ。Aもね。」

優しい声がぎゅっと硬くした心をほぐそうとする。

『私は、別に...ただのバイトなので、』

BC「今日なんて昼も夜も一緒に過ごして一緒にご飯食べたじゃん〜大切な友達で大切な家族だよ。」

どこまでも暖かい人なんだなって思う。

同時に、すぐ綻びそうになる自分をまたぎゅっとする。

『えっと、はい。』

BC「はいって何？笑笑」

『どう返したらいいか分からなくて...
疲れてるのに連絡ありがとうございます。』

おやすみなさい、と声をかけて通話を終了する。

本当は、自分の頭を整理したくて、
誰かと会ったり話したりすると必死に立ってる今の自分が
簡単に転びそうな気がして。

サナちゃんに頼まれごとをされた時
ちゃんと断れば良かったって少し後悔したりもして。