少しの休息を ページ11
ライブが始まる1ヶ月前に、『拒食症』の診断が下った。
診断が下っても、お仕事が全く無かったわけじゃなかった。
体も心もしんどかったけど、INIのお仕事は極力参加しようと決めていた。
俺が参加しないと、ファンの皆に勘付かれてしまうから。
それだけは避けたくて、自分の体に鞭打って頑張ってきた。
ただ、この日を境に俺の世界は変わった。
高塚「え···、」
体を起こそうと思ったのに、起きれなかった。
少し動いただけで目眩がして、心拍数が上がって息が切れて。
冗談だと信じたかったに、これが現実で。
どれだけ力を入れても、起き上がることはできなかった。
いや、力が入っているかさえわからなかった。
これはおかしいと直感で悟って、マネージャさんに
電話をかけた。
「大夢、大丈夫···!?」
高塚「だぃじょぉぶ···」
「話しにくいなら、無理に話さないで。」
高塚「ん···」
「起き上がれなかったのは、今日が初めて？」
高塚「ん···」
「これはだめだよ···。大夢、病院行こ。」
高塚「でも、お仕事···」
池崎「大夢くんの代わり、ちゃんと立ててきたから
心配せんでええですよ。」
「な？」
池崎「背中、乗ってください。
俺が連れてきますから。」
高塚「え···？」
池崎「今の大夢くんなら、余裕でおんぶできますよ。
ほら、早く乗ってください。」
「理人が言ってるんだから、大丈夫だよ。
理人のこと、信じてあげて？」
高塚「ぁりがと」
池崎「よいしょっ…大丈夫ですか？」
高塚「ん、大丈夫だよ。」
池崎「辛かったら凭れてていいですから。」
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作者名：みい | 作成日時：2024年1月22日 23時
