理解不可能な僕の君-cn.in- (ページ9)

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◆屋上ページ9

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＂ここのドアね、鍵壊れてて＂そう言いながら掴んだ、少し錆びて塗装の剥がれかけた鉄のドア

そのノブを思い切りひねられて、ギィギィと嫌な音を立ててる。

慧「あれ、おっかしいなー…前は簡単に開いたのに」

俺の見る限りいのちゃんは細身で
いかにも非力そう

侑「貸して、」

ノブを握るいのちゃんの手の上に自分の手を重ねて、思い切り力を込めて押した。

慧「…あ、」

錆びて引っかかっていたドアは僕の力も加わって
目を瞑ってしまうほどの衝撃と共に、ガギッと大きな嫌な音を立て、思い切り、開いた。

途端ぶわっ、て気持ちいい風が僕達の間を吹き抜けて

侑「わぁ……」

僕は自ずと足を一歩、前へと踏み出した。

そして僕の身長よりかは少し低い柵の前に、吸い込まれるように掴まると

慧「んー！やっぱ変わってないなー！」

そう言いながらいのちゃんは僕のすぐ隣、同じように掴まって

慧「俺ね、去年学校ぜんぜん来れなくて、留年したんだ」

そう言って、へへと声を出して笑った。

大きくはないけれどパッチリとした優しいタレ目が
細いアーチを描いて。