理解不可能な僕の君-cn.in- (ページ47)

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〇手と手ページ47

・in

あれから数年が経ったけど、俺はなんとか生きてます。
きっと医者になった知念がそばに居てくれてるから
それが大きいと思うよ。

きゅっと強く握られた手のひら
知念はいつも、俺の顔を何度も不安そうにのぞき込んでは聞くんだ。

大丈夫？って。

慧「だーいじょぶだって！俺元気よ？」

侑「ん、顔色はいいね。じゃ行こっか」

今日はね、俺たちの子供を…養子縁組する子供を見せてもらいに施設へ行くの。

侑「シートベルトしてね、慧」

知念は俺の事を気遣ってか、いつも安全運転。
シートベルトいらないんじゃねっていうくらい。

そしてお気づきの通り、いつしか俺の事を慧と呼ぶようになった。
俺はと言うと…恥ずかしくてとてもじゃないけど侑李なんて呼べない。

知念にそう言うと、＂まぁいいや。そのうち嫌でも呼ぶことになるし＂なんてニヤリとしてたっけ。

慧「知念はどんな子がいい？」

侑「んー…ちゃあんと僕たちを親として見てくれて言うことを聞いてくれる子なら」

そして、車を停めた知念が、ササッと助手席のドアを開けていつものように俺に手を伸ばす。

慧「自分でできるのに」

侑「いいの。僕がやりたいの。」

知念の車は外車なのにあえて右ハンドルのものを逆輸入したらしい。
何で？って聞いたら助手席が道路側になって危ないからって。

最初から国産車買えばいいのに、ずっと憧れだったから一度は乗りたかったんだって。

いちお、愛されてるでしょ。俺。

侑「心の準備できた？」

慧「う、うん」

緊張を隠すようにどちらからともなくきゅっと手を握り合って、施設の中に入った。