理解不可能な僕の君-cn.in- (ページ37)

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〇名刺ページ37

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侑「僕あっち見てくるから」

そう言ってパッと手を離し知念は歩いて行った。

俺はふらりと寄ったファッション誌のコーナーで、
気になった雑誌に手を伸ばした。

その時ツンと触れた手と手に振り向く。

慧「あ、すいません」

目が合うと、大きな目が優しく細められた。
こんなの、漫画とかドラマにしかないシチュエーションだと思ってた。

「…こちらこそ」

ドラマと違って実際は気まずくてなんとなくその場を離れようとした時
ねぇ、と声を掛けられておずおずと振り向く

「この雑誌、いいの？」

だって。何だこいつ。変なやつ。

慧「はい、大丈夫です」

そう言ったのに何故か俺はまた、ねぇと言われて
今度は少ししかめ顔で振り向いた。

「今一人？よかったらお茶でも」

慧「1人じゃないんですいません」

男にナンパされた。やべーよ。
くるりと向きを変え早足で知念を探す。

デパートとかの本屋ってやたら広いのは何で？

「待ってよ、ねぇ」

すぐにまた腕を掴まれたと思えば手のひらに無理やり持たされた小さな紙のような何か

「よかったら連絡して。待ってる」

イケボと爽やかな笑顔を残して、その人は去って行った。

＂岡田准一 090-xxx-xxxx＂

こんな名刺いつもなら捨ててるけど、見なりとか素振りがあまりにもちゃんとしてたせいか

＂岡田総合病院院長＂の肩書きのせいか

気になってそのままポッケにしまった。