大胆不敵なルームシェア-yb.hk-

デジャブ ページ48

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宏「痛っててて…」





ゆっくり目を開けると、ガンガンと酷い頭痛に襲われ頭を抱えた。






そして、脳が夢の中から現実に戻ってくるまでの間に
少しずつ理解した。






ここが、彼女の家でも、自分の家でもない事を。






二日酔いのせいでフラフラする体を無理やり起こし
壁伝いに歩いて行くと
ふわり味噌汁のいい匂い。





そこに、見慣れたエプロン姿が、振り向いた。





光「おはよう…だ、大丈夫…？」


宏「ひかる！！！」





音がするほどドンって抱きついて
シンク側に背中がぶつかった光にも構わずに強く強く抱きしめた。





宏「あのさ。俺、俺…、」





その時グイッて肩から引き剥がされた体





困ったように俺の顔を見上げた大きな目の
その瞳に涙をぶわりと浮かべた光が





光「ど、どうして抱きしめたりなんか」





だから俺は言ったんだ。
ちゃんと、自分の口で自分の気持ちを初めて。





宏「俺には光が必要で大切でいないと困る…離れて分かったんだ。えっと、だから」





堪えるように目に溜めてい涙がボロリと零れたと同時
くしゃりと涙に歪んだ顔で
今度は光の方から俺の首にぎゅうっとしがみつく子供みたいに抱きついた。





耳元で聞こえる光のひっくひっくとすすり泣く声が
何だかすごく可愛くて後ろ頭をそっとなでると
俺に抱きつく指にぎゅっと少し力がこもった。

俺はその背中をもっと強く、抱きしめて。






宏「ずっとそばにいてくれよ」


光「っ、ほ、ほんとに、ほんとに俺で」


宏「で、じゃなくて、光がいい」

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