大胆不敵なルームシェア-yb.hk-

お別れ ページ42

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宏「…え？」

光「だから、ルームシェア解消したい」






何故か2人してサイドテーブルの前に向かい合い
光が正座だったから、つられて俺も正座したさっき。






いつになく真剣な表情と空気にこれは冗談じゃないんだと
普段何も気づけないバカな俺でも分かった。






宏「…本気？」


光「もちろん。その為に彼女作って欲しかったんだから。俺、1人の方が…っら、楽だか…ら」





それなのに、光の大きな目は次第に真っ赤になっていき
その目から、まるであまつゆのように透明な大粒の涙が次々と零れた。






宏「…え？どうした光、え？何かあった？」





光の涙どころか、辛い顔すら、見たことがなかったのに。






たまらずに思わず肩を掴むと、ぐしゃぐしゃに泣きじゃくった顔で思い切りその手を振り払われ

俺はその勢いの反動で、どんと尻餅をついた。





宏「…っ、ひか」


光「もう面倒い。薮くんいると大変すぎてストレスで涙出てくんの！だからもう終わり！！！」






初めて聞く、大きくて悲しい声だった。






宏「……そか、分かった。ごめん。今までごめん」






その後会話もなく
俺はリュックに入るだけの荷物を詰め込み終えると
スーツのハンガーを手に持った。





宏「…あとの荷物はまた取りに来るよ」


光「合鍵置いてってね」





言われるままキーケースから合鍵を外し
握りしめた手を光の手のひらの上に置いて





1人きり、光の家を出た。





宏「…っ、」





ドアが閉まると同時、鍵のかかる音がした。





夜空は曇っているせいか、星は、全然見えない。

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