知らないままじゃ始まらない-yb.hk-

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移動教室の途中、裕翔とニコニコ手を振り合う伊野尾を見て
素直にいいなぁって思ってた。






゛慧ー！！゛






裕翔も友達そっちのけで嬉しそうに伊野尾に手を振ってさ、伊野尾も俺そっちのけでキャッキャと手を振ってた。






俺はというと、美術室着いても授業始まっても光の顔は見れなかったしね。






だからなのか






光｢薮くん聞いてますか？｣


薮｢え？｣


光｢今この彫刻の説明してます｣


薮｢あ、似てる｣







前からずっと思ってた。
光が誰かに似てるって。







それが今判明したよ。この真っ白な彫刻だわ。







彫りが深いっていうか、綺麗な顔っていうか、一つ一つのパーツがハッキリしてる所ね。







光｢…似てる？何がですか？｣


薮｢んー？それと先生｣


光｢うそ、薮くんありがとう｣







光の表情の変化とかのせいなのか

美術室はドッと笑いに包まれていたけど
俺はドッと疲れただけだ。







だってさ、どんくらい似てるかどうかは置いといて







あー好きだなーって顔を見るたび何度も何度も思わされんだもん。






しんどい。

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