となりのおうちのお兄ちゃん-ar.in-

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sideＫ






俺の好きな人は
小さい頃は可愛くて優しかったのに

大きくなるにつれて、俺に冷たくなってった。






いつも一緒にいるせいで
一緒にいるのが当たり前になりつつあるせいなのか
俺の気持ちに気づく気配もない。






この恋に勝ち目なんかなくて
好きだなんて言えないけど、
俺だってたまに、好きな人に好きって言いたくなる事もある。






そう、あれは俺が中三の時のバレンタイン







カカオが多めで美味しいって噂のチョコを買ってきて溶かして

コーンフレークを混ぜたやつと
アーモンドを混ぜたやつと
ピーナッツを混ぜたやつと
ドライフルーツを混ぜたやつ、の4種類を






一口サイズのハート型に固め
丁寧にラッピングして






゛友達に渡したいんだけど味見してくれない？゛






お願いしに行った、バレンタイン前日。






もちろん勝手に上がり込んだ大ちゃんの部屋で

大ちゃんはドアを開けた俺を見るなり
床に胡座をかいて読んでたマンガを脇に置き、怪訝な顔で俺を見上げた。






大｢…別にいいけど感想は正直に言うよ｣






大ちゃんはそう言って立ち上がり、俺が差し出してたラッピング袋を受け取ったと思えば
ベッドにバインと座ると
リボンほどいて、中から一つ、ぱくんと口にした。






俺も大ちゃんの隣に座り、覗き込んだ顔は






もぐもぐとしながら美味しそうに食べてるように見えた。






…けど







大｢何これ、変なの。こんなんあげない方がいいって｣






俺の努力は、見事に玉砕だった。

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