となりのおうちのお兄ちゃん-ar.in-

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今までずっと
恥ずかしくてその一言がどうしても言えなかった。






別に言わなくても分かると勝手に思ってた。






けど違った。






゛嫌いなら嫌いってはっきり言えばいいだろ！゛






俺はいのちゃんから態度や言葉、優しさを
当たり前のように貰ってきたから気づかなかったけど
初めて気づいたんだ。






ずっとずっといのちゃんが俺にしてくれてた事を
俺はいのちゃんにしてあげられてなかったって。






大｢嫌いじゃないよ｣






勇気を出して言ってみたけど返ってきた返事は
まだ元気のなさそうな゛そっか゛だけ。

挙げ句、゛もう大丈夫だから行こ？゛って俺の体を引き離そうとするからつい…

つい、言ってしまった。






大｢やだ。まだ離れたくない｣


慧｢…だってさっきはみんな待ってるって、｣


大｢やなもんはやなんだよ｣


慧｢あ、大ちゃんのわがまま久しぶりに聞いたー｣






ふふって肩が揺れた時
いのちゃんはいつも俺のわがままを怒ったりしなかった事にも気が付いた。






なんて言うんだろうね、こういう気持ち






炭酸の泡みたいにお腹の下から湧き上がったこれは
きっと、桃色をしてる。
いのちゃんが大切で、可愛くて、愛おしいや。






慧｢ふふっ、苦しいよ大ちゃん｣


大｢好きだよ、大好き｣


慧｢…っ！｣






男ってやつは困ったやつでさ
照れて戸惑う姿とか見ると俺は萌えるしスイッチ入ると止まんない。






大｢…好きだよ、慧｣






俺の体に顔を埋めてるせいで

いのちゃんがどんな顔をしてるのか俺には分からなかったけど






俺は今まででいちばん強く、そして優しく、抱きしめてたと思う。

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