となりのおうちのお兄ちゃん-ar.in-

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チョコは、奪い返される前にと
全部口に放り込んだ。






慧｢何でそんな…｣






せっかく持ってきてくれたチョコ、全部食べたくてめちゃくちゃ慌てた。
味違うの知らなかったから、全部入れたのはちょい失敗だったけど。






口の中いっぱいに広がったナッツとフルーツの複雑なコラボレーションに
勝手に頭の中、様々な思いが浮かぶ。






当たり前に俺の部屋にいるいのちゃんなんて見慣れた光景






だけど久しぶりに部屋にいるいのちゃんや
もう一人分の体重の重みでギシッと軋んだベッドに、ドキドキしたりした。






なのに当のいのちゃんは平気な顔をしてた。






1人でやきもきしてたのは
きっといのちゃんが誰かに渡すつもりの、ハート型のチョコのせいだ。






誰に渡すのか知んないけど
゛俺にとって大ちゃんは家族みたいな存在だよ゛って、言われてる気がした。






じゃなかったら毒味させませんって。






大｢何でって、知ってるよね？俺が食べ物残すの嫌いだって事｣






変に意識してたのは、きっと俺の方だったんだ。







だからもう意識せず普通に普通にって思ってたのに







慧｢来年も…大ちゃんにチョコ作ってもいい？｣

大｢…っ、｣







次の日またなぜかチョコを作ってきたいのちゃんは






とろんとした可愛い顔で俺を見つめて







大｢………………ぅ、ん｣







俺の事を、惑わせた。

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