誰にも言わない-不器用だから-

俺の部屋.kt ページ24

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バスタオル頭に被ってすぐそこの窓のカーテンの隙間からそっと覗くと
キョロキョロしながらゆるゆると車を進める先生の姿が。




運転してるとこ初めて見た。
先生の車の助手席…乗りたいかも。
水色でカワイイし。

後でどっか行きたいな、やっぱり。




それより早く髪乾かさなきゃって思って階段を駆け登った時、玄関のインターホンが鳴った。



今登ったとこだけど
くるりと振り向いて今度は階段を駆け下りた。

真っ直ぐ走った玄関先
久しぶりの先生が、扉の向こうにいるっ！！




ガチャッ




鍵を開けた瞬間勢いよく開いた扉から、ぱあっと明るい笑顔が飛び込んできて
俺の体は瞬間先生の両腕にぎゅうっと包まれていた。




裕「圭人会いたかった！！」




俺も会いたかった。
でも先生の胸元の優しい香りと温もりに包まれて胸が詰まって言葉にならない…




だから、背中にぎゅっと手を回した。




裕「圭人お風呂入ってたの？まだぬれてる」

圭「うん、」




しかも日本語すごく上手になってる。
会わない間に何があったの？




先生は、俺の頭のバスタオルを片手でゴシゴシ




裕「風邪ひくよ？」

圭「じゃあ俺の部屋行こ」




先生の手のひらを掴まえた時
するんって絡められた指はぎゅって繋がれた。




裕「おじゃましまぁす」

圭「誰もいないよ」

裕「え、こんなに広いのに？」

圭「今日は家政婦さんいたけど…帰ってもらった」




何で？って言われても…答えられなくて黙った俺の顔を
階段登りながら聞いてる？って覗き込んでくる。




圭「ちょ、前見て前」




小さな顔
長くて濃いまつげ
整った目鼻立ち
頬まで伸びた前髪




先生カッコイイ…こんなにカッコよかった？
顔をマジマジと見られるだけで恥ずかしいなんて
俺どうしちゃった？




圭「ここ、俺の部屋」




扉を開けると、広！って言って笑ってる。




裕「どこ座ればいい？この革のソファか、あのオシャレな椅子か…っ、」




それ以降黙った先生を不思議に思って




圭「ん、椅子かどこ？」




パって見上げた目線はベッドにあった。
どうして言葉を詰まらせたのかなんて考えたら
きっと俺は恥ずかしさに押しつぶされちゃうんじゃないかな




圭「…俺あそこの鏡のとこで髪乾かすから好きな所座ってて」




言いながらそっと手を離し
恥ずかしさを誤魔化すように壁掛けテレビのスイッチを付けた。




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