この、恋の行方を知りたいですか？HorY (ページ8)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:16,451 hit

７、一瞬ページ8

・

その日の帰り、
ホームルームが終わってから栞と話してた時。

机をトントンと叩く音がした。

光は口の動きと親指の動きで＂行くよ＂って言って歩いて行く。
私は慌ててガタンと立ち上がりバッグを肩にかけながら言った。

あ「、じゃあ行くね！今度買い物行こ？その時奢る！」

栞「うん、またね」

先に出て行った光を小走りで追いかけるけれど
ズンズン早足で歩いて行くせいでなかなか追いつけない。

あ「光、待って！」

2人きりでどこかへ行くのなんて初めてだし
まだ私は緊張してる。
思い切り走って行って腕をからめるとか、とてもできないから

思い切り伸ばした手で光の制服のブレザーの裾をキュッと握った。

光「…なにお前。かわいー事すんね」

いじわるな笑顔でも、笑顔を見せてくれただけで嬉しい。
かわいいなんて本当は思ってなくても、その言葉はやっぱり嬉しい。

そして廊下を曲がって階段の踊り場に出た時
人がいなかった、その一瞬

光は私にチュッと唇を当てた。

触れたか触れてないかもわからないほど、ほんの一瞬だけ。

きっと世界一短いキス…だと思う。

あ「ひか…る、何で？」

光「は？何が？」

…私は、光の真顔に弱い。
何も言えなくなってしまう。

嫌われたく、ないから。

あ「ううん、何でもない…」

好きならどんな事も我慢しなきゃいけないって、分かってた。