この、恋の行方を知りたいですか？HorY (ページ45)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:16,462 hit

44、どうしてページ45

・

そうして光の目を見つめ続けてようやく。

不安な気持ちに押し潰されそうになった頃聞こえた
大きな大きなため息のあと。

光「…すきとかじゃねーよ」

…ねぇ、光。
私は光が本当に大好きだったんだよ。

だから、本当は分かってた。

あ「じ…じゃあ…わたしたち、」

切れ切れにやっと口にできた私が全部を言う前に
光は私の肩にコツンとおでこを預けた。

その光の口からため息のように吐き出された、消え入りそうな程小さな声。

＂別れたくない＂

…ねぇどうして？

私の肩にだらんと預ける光の体は、小さく震えていた。

あ「…っ、」

私の事好きじゃないってはっきり聞いたのに突き放せない自分は何なんだろう。
栞と約束したのに。どうしよう。

…辛い。苦しい。
私だって別れたくなんて、ないよ。

あ「光、どうして…？」

光はまだ私の肩に頭を乗せたまま、甘えるように私の背中に手を回しぽつぽつと口にした。

光「お前は俺の…モンだから。だからいないと困るんだよ」

あ「そ、んなの…ダメ。栞と約束したの」

つい、そう口にしてしまったその途端に光の態度は豹変した。

光「はぁ？アイツに俺らの何が分かるの？２人の事だろ？ふざけんな！」

光の手は気づいたらまた、私の胸ぐらにぐわんとあった。

だんだんギリリと締まる首元に苦しさを感じて、きっともう私達はダメなんだと悟った瞬間

…だった。

跳ね返るほど勢いよくバン、と大きな音を立てて特別室の扉が開いた。

・