34、平気 ページ35
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クラクションを鳴らされながら
ガードレールに両手をついてぴょんと飛び越えると
両足でひょいと着地した光を横目で確認した。
栞「Aは幸せなの？…私は光の行動全て、だんだん苦痛にしか思えなくなったけど」
＿＿＿栞の背後の数メートル向こう
じわりじわりと近づいた光は、そこで足を止めた。
あ「ら…乱暴は慣れてるの。前の彼氏にもっとボコボコにされてたし」
栞「や。そういう事じゃなくて愛されなくていいの？Aかわいいんだからもっと大事にしてくれる人がいるって」
…そうだ。光は私を好きじゃない。でも私は好き。その場合どうしたらいいの？
思ったまま黙り込んだ私に
栞は頬杖をついて呆れたようにため息をついた。
そして頬杖の人差し指だけでどこかを示す。
栞「例えば…あいつとか」
栞の頬から離された１本の細い指の先
その先にいたのは、他の仕事仲間２人に挟まれて
笑いながらトレーやコップを拭いている中島くん。
その時、他の仲間２人が私たちの視線に気付いたのか3人共がこっちを見た。
中島くんは栞に笑顔で手を振って、
私の顔を見たあとに、ふいと視線を仲間の顔に戻した。
ズキン…
私のこの胸は何者？
自分が望んだくせに勝手に傷ついてる。
意味わかんない。
外では光がさっきからずっと同じ場所に立って私をじっと見つめていた。
栞「悪い事を叱るのは勇気がいる。それができるのは、大きな愛情がある証拠だよ」
私はその意味を、この時はまだ理解できずに。
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作者名：ありぱん
| 作成日時：2017年2月3日 23時
