この、恋の行方を知りたいですか？HorY (ページ26)

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25、ショートカットページ26

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慌てて栞がいるお店の中に足を踏み入れた。

あ「すいません、戻りました！」

受付のお姉さんに伝えるとまた、ソファで待つように言われ私はそこにふかっと腰掛けた。

光、ちゃんと帰れたかな…

今日あそこで見た時の迷子のような姿が浮かんできて電話をかけてみたけど
やっぱり光は出なかった。

そして少しして。

栞「お待たせっ」

濃いめのアッシュブラウンに染まった、
ショートカットの栞がすっきりした笑顔を覗かせた。

あ「か、かわいいっ！！」

栞「ごめんね待たせて。勧められてついでに染めちゃった」

あ「私もちょっと外行ってたから待ってないよ！それより似合いすぎる～」

首元涼しいって笑う栞が何気なく目線を移した
先…栞はギョッと眉をしかめた。

栞「…とりあえず、行こっか」

何だか別人みたいで、会計をする栞の後ろでソワソワ…
栞、ショートカット似合う！
短い髪が、栞の笑顔を引き立てているみたい。

＂ありがとうございましたぁ＂

店員さんたちの声を背に外に出ると、栞はギュッと私の手を握った。
そして何も言わずに早足で歩く。

あ「栞どうしたの？」

歩行者天国みたいなその大通りで人の波を避けて歩きながら

人通りがだいぶ減ってきた所でやっと、口を開いた。

栞「A誰と会ってたの？」

あ「…えっ？誰とも会ってないよ」

栞「じゃあこれは、何？」

そう言って私の首元をするりと撫でた。

自分からは何も見えないその場所がどうなっているかわからずに
＂キョトン＂としてしまう私の肩をくるりとショーウインドウに向けた。

栞「ほら、これ」

そう言って撫でられた首元には、まるで首輪をつけたような赤紫色の痣があった。

あ「…っ、えっと」

栞「何？言えない相手？こそこそしなきゃいけないような相手と付き合ってるの？」

＂内緒＂

光の言葉が頭の中にリピートして
光の顔が頭の中をぐるぐると回って

あ「…。」

私は、何も言えずに、口を噤んだ…。