この、恋の行方を知りたいですか？HorY (ページ25)

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24、恋ってページ25

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苦しかったさっきまでとは打って変わって
今、光の両腕に抱きしめられている私は

苦しかった事なんてもう忘れていた。

消え入りそうな声で＂ごめんね＂と呟いて
私の頬に優しく添えられた大きな手のひらの
その温もりや香りだけで幸せって思える。

恋なんてそんなものなのかもしれない。

好きな人が一番
好きな人の言葉ほど効果あるものはない。

浮くのも沈むのもその人次第。
きっと光も同じでいてくれてる。
それが分かってむしろ嬉しかった。

光「…そういえば友達は？」

あ「今髪切ってる。だから私そろそろ…」

＂ふーん＂
とだけ発して目の前で私をまだギュッと抱きしめる光は
その手を離してくれる気配なんてなくて、
私は言葉を詰まらせた。

光「俺といりゃいーじゃん」

今日は栞とショッピングしたり、ブラブラする約束してる。
こないだ奢るって言ったのはこの自分なのに
美容院に友達を放置していなくなるとかどうなんだろう。

あ「ごめん光、私せめて女友達は大切にしたい…」

勇気を振り絞ってそう言うと光は片手をスッと背中から離した。
その手の行く末に少しだけ怯えた時、顎の辺りに手を当てた。

何かを考える時の、その仕草

光「あー…じゃあ、Aが悪い事しないように後からついてくわ。お友達にはバレないようにするからさ…ね？」

その仕草は好きだけど
そう言われても何だかそれって尾行みたいで
きっと栞も気持ちのいいものじゃ、ない。

あ「…光、私はそんなに信用ない？」

光「そういう事じゃない。ほら、もう行けよ」

くるりと半回転させた光の体が、私の行く道をあけた。

通りに出て振り返ると
光はふわって微笑んで手を振っていて

完全に安心した私は、小さく手を振り返して美容院へ走った。