この、恋の行方を知りたいですか？HorY (ページ22)

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21、自動ドアページ22

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＂キーンコーンカーンコーン＂

響き渡るチャイムとさようならが終わった瞬間
栞はガタンと椅子をしまって私の元へ来るなり、パシッと手をとった。

栞「A行こ！…バイバイ中島くん」

小走りで教室を出ていく栞に引っ張られ私もつられて小走りになる。
背後から中島くんの＂また明日ねー＂の大きな声がした。

…本当に、変な人。

そういえば今日は栞に引っ張られて教室を出たせいで
帰りに光の顔を見れてないや…

後でメッセージ送っとこう。

栞と２人バスに乗り込んで、キャッキャしながらたまに行く繁華街まで向かう。

栞「先美容院行っていい？そのあとブラブラしよ！」

あ「うん！楽しみ～！」

バスを下りて大通りをそのまままっすぐ進んだ道沿いに見えてきたカントリー風のお店

そこを栞はまっすぐ伸ばした腕で指さした。

栞「あの美容院だよ！」

そうだ…栞は今日髪をバッサリ切るんだ。

あ「ほんとに切っちゃうの？こんな綺麗な髪なのに」

なんだか名残惜しくて、私は栞の髪に指をするりと通した。

栞「なぁにーAってば！嬉しいけど綺麗とか…私は別にいらないや！」

にひひって口を広げて笑う栞はなんだか無邪気な少年みたい。

そこのゆっくりと開く自動ドアを抜けて中に入ると入口近くのソファに案内され、そこに2人で腰掛ける。

＂ふっかふかだね＂なんて笑い合っているとすぐに呼ばれた栞。

栞は私に「行ってくるね」と言ってこっちからは壁で見えない向こう側の席に移動した。

私はここで栞を待つ間に、光に連絡しようとスマホを取り出す。
画面にはまた新着メッセージを示すウインドウ

あ「…えっ。」

私はいてもたってもいられなくて立ち上がると

あ「ちょっと外に出ます！すぐ戻ります！」

受付のお姉さんに伝えて返事も聞く前にもう出口に向かった。
ウイーンとゆっくり開く自動ドアももどかしい。

そして開いてる途中の両扉に体をぶつけながら外へ出た。