ツン＋デレ＝‰Ω∂(秘密のかたち)

ツン＋デレ＝たかひか ページ11

＿海＿





夏真っ盛り
照りつける太陽にやられそうな日




雄也「ねぇ光くん、海行こうよー」
光「ヤダ」




えーと言いながら唇を尖らせた雄也は
あっ、となにかを思いついたような表情を見せる




雄也「かき氷、やきそば、たこ焼き・・あーうまそう。
行ってくれたらおごるのになぁ」





言いながらチラリと光の顔を見ると
光は怪訝な顔を向けた。





光「・・もう。今日だけだよ」





’よっしゃ’雄也は小さくガッツポーズを決めて
準備してあった水着を鞄に詰め込むと





光の背中をぐいぐいと押して車に乗り込み
ニコニコと鼻唄を歌いながら
海へと車を走らせた。




光「好きだね、海」
雄也「だって、夏だよ？水着で泳ぐのとか超楽しいじゃん！」
光「・・へぇ、わかんないわ」




温度差は夏と冬ほどありそうな二人は海に着いても真逆の反応。





雄也「おー！着いたっ海だ海だ！」
光「俺パラソルで寝てるわ。約束の食べ物よろしく」




服のまんまテンション低めでそう言った光は
よろしく、と上げた右手を行ってらっしゃいと言わんばかりに振り




砂浜に足をとられながらよいしょと
パラソルに守られた日陰のチェアに寝転んだ。




雄也「うりゃ」




ほっぺに感じるキンとした冷たさ
うわっと叫んで驚く光に、’先に飲み物’と手渡した。




光「冷てーしっ」
雄也「じゃ、買い出し行ってくるわ」




雄也の背中を見送りながらプシュッと音を立てて開けた缶ビールに
雄也って優しいよな、と思いながら口をつけた。





光「ぷはぁ」





戻ってきた雄也は美味しそうに飲む光にあははと笑いながら
両手に抱えた食べ物のパックをシートの上に広げた。




雄也「たまにはいいっしょ？こーゆうの」





割り箸を割りながら別にー、と言う光に
取り出した水鉄砲を向けた。





雄也「えいっ」
光「うわっ」




Ｔシャツが塗らされた光は、雄也の持つ水鉄砲を奪おうと手を伸ばす。




ひょいと避けられ




追いかけるうちに、気づけば波打ち際まで来ていた。




雄也「もうさー入ろーよ」





フッて笑って光はＴシャツを脱ぎ捨てた。




光「イェーイ！！」




なんだかんだ、雄也のおかげで結局すんごい楽しんだ。




雄也「また行こうね」
光「えー・・どうしよっかな」




帰りの車の中、二人の笑い声が響いた。

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