「アホちゃう？（笑）」【赤】 (ページ6)

今日:12 hit、昨日:4 hit、合計:209,789 hit

6 ページ6

それを変える出来事は、

4人でいるようになって少し経った頃だった。

その時私は、なんだか無性にいちごミルクが飲みたくて

普段そんな甘いの全く飲まないくせに、

自販機に買いにきていた。

ガコン

と音共に、聞こえてきたのは

重岡「あれ？A？」

という声だった。

勢いよく振り向けば、珍しく一人でいたしげ。

『…しげか、』

重岡「おい、どういう意味や(笑)」

と近づいてくる。

えぇ…こっち来る？二人きりで話したことないよ…

と思いながらも、心臓は少しドキドキしてた。

重岡「何飲むん？」

と私の手の中を除く。

重岡「…いちごミルク？珍しいな」

といつも一緒にいるからさすがにわかるんだろうね。

確かに私がいつも飲んでるのは、ただのお茶。

あんまり好んでジュースとかを飲まない。

『…うん、なんか無性に飲みたくなって』

重岡「ほーん、女子やな(笑)」

『…女子、ですけど』

重岡「顔怖いって(笑)」

と言いながら、教室行こうやというので隣を歩く。

『…』

重岡「…」

特に話すことがなくて、お互い無言。

その空気がなんだか嫌で、

とりあえずいちごミルクを口にする。

『……うえっ』

…マジか、思ったより甘いな、こいつ。

と思っていたら、

重岡「…フハッ(笑)なんちゅー声出してんねん(笑)」

と、隣で爆笑してる。

え、そんなに笑う？と思いながらも、

『…思ったより、甘くて』

と冷静に返す。

重岡「アホちゃう？(笑)」

フハッ(笑)っとまだ笑う君に

釘付けになってしまった。

重岡「ん？どした？(笑)」

『…あ、いやなんでもない』

と見ていたことがバレ、

焦っていちごミルクをまた口にした。

『ゲホッ…』

と次は咳き込んだ。

重岡「いや、もー(笑)笑わせんといてや(笑)」

と立ち止まって、お腹を抱えて笑う。

重岡「はー、ここ最近で1番笑ったわ(笑)」

とちょっと、目を擦りながら歩き出す。

重岡「Aってそんなに面白かったんやな(笑)」

『…え？』

重岡「いやなんかさ、あんま喋らん子なんかなー、

思ってたからさ…………、

俺に話しかけてくれたことないし、

なんなら極力避けてたやろ？(笑)」

と言われ、ドキッとする。