猛毒の少女、壊れかけの世界へ【まほやく】 (ページ5)

今日:3 hit、昨日:20 hit、合計:3,340 hit

ページページ5

ドラモンド「なに！？魔法使い共が！？  まずいぞ、アイツらがやってくる前に急いで賢者を丸めこ……ごほん！賢者様と親しくならないと！  賢者様、中央の国の城へ急ぎましょう！」  

『…………』

思わずドラモンドをジト……と見つめる。

丸め込むって言ったよね、この人。

いかに私が他よりも悪意に敏感と言えど、それ抜きにしてもわかりやすすぎない……？

無反応でその場から動かずにいると、着いていくつもりが無いと判断されたのか兵士たちが脅しのように取り囲んでいた。

ドラモンド｢ええい力ずくでも来て頂きますよ！お前達！！｣ 

まあ、取り囲まれるのは居心地も気分も悪いので逃げようとしたら一斉に兵士たちが剣を抜き放った。

灯火の光が剣に映って攻撃的に反射している。

連れて行きたいのか殺したいのか分からないなこの人たち

クックロビン「ドラモンド様、やりすぎじゃ………」 

 ドラモンド「うるさい! 悪いのは魔法使いどもだ!」

……誰が悪いのかは知らないけど、とりあえずあの窓から逃げられないかな……？

どれくらいの高さなのかは分からないけれど、頭から落ちなければ勝算はある……はず。

そう思って窓の外を見たその時＿＿    窓の向こうの空から近づいてくる影が見えた。  箒にまたがって空を飛ぶ二人の青年。  彼らは窓をすり抜けて、周りの風を巻き上げながら私の前にふわりと降り立つ。 

  京都校の先輩にも箒で空を飛ぶ人がいたな、と場違いにも考えていると、長髪の男の方が口を開いた。 

   ？「お前の言った通りだな、ヒース。まさか、魔法管理省の奴らが賢者を攫いに来るとは」   

ヒース「言っただろ……人間達は俺達を信用しない」     