猛毒の少女、壊れかけの世界へ【まほやく】 (ページ4)

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第二話賢者と大臣ページ4

髭の男と、気弱そうなスーツの男、そして武装した兵士たち。

仮にも【賢者】を迎え入れるのに兵士を引き連れるというのは……

賢者様バンザイ、なんて大きな声で言っているけれど、本当に思っているの？

今私の顔には困惑の2文字しか浮かんでいないと思うけれど繕う余裕は無い。

？「さあさあ、こちらへ賢者様。ようこそ来てくださいました！  私は中央の国の魔法管理大臣ドラモンドと申します」

   ??「ええと、私は中央の国の書記官クックロビンです」 

  髭の男はドラモンド、気弱そうな男はクックロビンと言うらしい。

まほうかんりだいじん、やら中央の国？やら訳の分からない単語をつらつら並べられても困る 

  ドラモンド「さあ、賢者様！  魔法使い共がここに来る前に中央の城にお連れしましょう！」   

『ねぇ、待って。あなた達の言う“賢者様”って、いったい何なの……？』   

ドラモンド「賢者様をお待ちしていたのです！賢者様には〈大いなる厄災〉と戦って、世界を救って頂きます」  

 それはさっきもムルから聞いた言葉だ。

  【賢者】【魔法使い】そして、〈大いなる厄災〉 

 賢者様は私のこと、で魔法使いはそのまま魔法使いだと思う。  分からないのは〈大いなる厄災〉について……だけれど 

  『…その〈大いなる厄災〉というのは？』   

ドラモンド「ご心配なく！危ないことはありません！戦うのは魔法使い共です！」  

 いや、そうじゃないんだけどな……

その厄災ってのが何なのかって聞いてるんけど
  魔法使い〝ども〟ってことは、少なからず魔法使いに嫌悪感を抱いてるよね

呪術なんて見せた瞬間敵意むき出しだろうな…… 

   ドラモンド「コイツらがまあ、猫のように言うことを聞かない連中でして  何故か、決まって昔から異界からやってきた賢者の言うことしか聞かないんですよ」  

 

私が反応を示さないことに違和感も持たず、ペラペラと話し続ける。

すると奥から駆けてきた男がドラモンドに耳打ちする。

 ドラモンド「なに！？魔法使い共が！？  ｣