猛毒の少女、壊れかけの世界へ【まほやく】 (ページ20)

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色々と一段落つき、ファウストが静かな眠りについた頃

黒｢オズよ｣

白｢どこへ行くのじゃ｣

オズ｢…………私の務めは果たした｣

カイン｢待ってくれ。今年の〈大いなる厄災〉との戦いに向けて俺たちで話し合わないか？｣

｢こんな被害は誰も想像してなかったはずだ。同じ惨劇を繰り返さないために、来年の〈大いなる厄災〉の襲来に備えたい｣

｢あなたの力が必要だ、オズ｣

オズ｢断る｣

まさかの即答。

五条先生とかなら絶対い〜よ〜って軽く言っちゃうトコなのに……

カイン｢つれないことを言わないでくれ……。俺たちは同じ、中央の魔法使いじゃないか。｣

◯◯の魔法使いってよく言ってるよね……

所属団体かな？中央の国って大臣言ってたし

それとも出身国？

カイン｢あなたが馴れ合わないことは知っている。だが、同じ敵に二度負けないように、互いの力を知って、作報を立てるべきだろ。｣

オズ｢若い魔法使いは群れたがる。群れに意味はない。｣

“若い魔法使い”って……何？

え、みんな20代とかそこらじゃ……

宿儺みたいに外見だけ若いってこと？それともベニクラゲ的発想？

オズ｢生き残るものが生き残るだけだ。淘汰されたくなければ、ひとりで生き残る力を身につけろ。｣

カイン｢……俺はそうは思わない。力を合わせれば、失わずにすんだ仲間が、何人もいたはずだ。｣

オズ｢幻想だ。宿命は変えられない｣

『…………そんなこと、無いと思うけどな』

オズ｢…………｣

私に一瞥もくれずにオズの背が遠ざかっていく

場に居た全員が、どこか恐れるようにそれを見送った。