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双子に急かされる。




死んだ人間は反転術式で間に合うのか

いや、でも、この人を生かすと決めただろう






闇雲に手を伸ばし、呪力を流してみる。


やはりあの反転術式の成功はまぐれだ
煙は微塵も止まず、動く気配もない。








どうしようも無くなって焦るしかない私を見かねたように、冷たい目線の人が私に声をかける。








?「賢者よ、手を」

「私の名はオズ、中央の魔法使いだ。おまえの力を借りる。」




『…………』








束の間の逡巡

コレに縋るしか、ない






迷いながらも手を重ねる



胎から、心臓、指先へ呪力が流れていく



冷たい指先に握られ、小さな風が部屋を駆け抜ける。






その風は瞬く間に強まり、服や髪をたなびかせて渦になる。




いつの間にか、オズさんの体には白い光が纏われていた。


そして、オズさんが呪文であろう言葉を唱える









オズ「《ヴォクスノク》」

『…………!!』









その瞬間、オズさんの体が纏っていた白い光が、風と共にファウストさんの体に吸い込まれて行った。









?「成功じゃ!」

?「成功じゃの!」




カイン「名前を呼びかけろ!ファウスト、ファウスト……!」




シャイロック「ファウスト、しっかり」




ムル「起きて、ファウスト!まだ寝る時間じゃないよ!」




?「目を覚ませ!東の呪い屋!」




オズ「…………」










ファウスト「……っ、うぅ…………」










見開いたまま動かなかったファウストの瞼がギュッと瞑られる。



まるで時間が戻ったみたいに、苦痛に身をよじった。






ファウスト「……っ、ひどい……。せっかく、死ねたところを……」







安心にホッと息をついた私を尻目に、部屋は歓声に沸き立った









カイン「意識が戻った!良かったな……!」




ムル「おーめでとう!」




シャイロック「やれやれ、一安心ですね」




?「はは、しぶとい野郎だ」





ヒース「先生……っ、良かった……」









嗚咽を漏らすヒースクリフさんに向けられるファウストさんの目線は心做しか優しい









?「ああ、危ないところじゃった」

?「良かったのう、ヒヤヒヤしたのう」




オズ「…………」






オズさんの手がスルリと離れる

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- 応援してます (5月3日 18時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
米麹かもしれない(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!不定期ですが良ければ応援してやってください……! (3月17日 22時) (レス) @page16 id: 889d48e298 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新楽しみにしてます (3月15日 23時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:米麹かもしれない | 作成日時:2024年3月9日 22時

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