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違う、違うよ、カインさん。
もう私はたぶん帰れないんだよ。この世界で生きるしか無いの
でも、ごめんなさい。私はまだあなたを完全に信じられない。
あなたの言葉に、きっと嘘は無いけれど
この半年、私は呪いに触れすぎた。
呪いの狡猾さと、人の汚さに、一気に触れすぎて戻れなくなった。
私の葛藤に気づかないまま、カインさんは話を続ける。
カイン「あんたには断る権利があるし、それは誰かに責められる事じゃない。だけど、俺たちは……。どうしても、あんたが必要だ。
力を貸してくれるなら、何だってしよう」
カインさんは深呼吸して、またすぐに話を進める。
カイン「俺が示せるだけの勇気と誠意を見せよう。この身で返せるだけの、感謝と礼を示そう。
この誓いに形はないが、どうか、頼む」
「俺たちを信じて、俺たちに力を貸してくれないか」
カインさんは私をじっと見つめる。
眩しいな
きっとこの人は、助けたい人が居る人なんだ。
真剣で、誠実で、それでいて真っ直ぐだから眩しく見える。
似てるな、虎杖くんに
『……力を、貸すって言うのは……?』
ヒース「先生を……、ファウスト先生を助けて欲しいんです」
カイン「俺たちの仲間だ。死にかけてる」
『どうして……?』
ヒース「仲間を庇って、深手を負ったんです。……ファウスト先生は、俺がお世話になった先生なんです。先生がいなかったら、俺だって死んでた……」
死にかけてる仲間と聞いて、今真っ先に思い浮かぶのは高専の人達だ
五条先生は封印されて、悠仁くんは宿儺に乗っ取られた
渋谷には硝子先生がいるから、瀕死までなら何とかなるかもしれない。
でも、カインさんの話を聞く限り、もしかしたら魔法に反転術式のようなものは無いのかもしれない。
ヒース「……っ、お願いです。どうか、先生を助けてください……」
…………反転術式、できるかな
やってみるしか無いんだけど
『…………私に、できることなら』
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雪 - 応援してます (5月3日 18時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
米麹かもしれない(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます!不定期ですが良ければ応援してやってください……! (3月17日 22時) (レス) @page16 id: 889d48e298 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 更新楽しみにしてます (3月15日 23時) (レス) id: 6c1d2855e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:米麹かもしれない | 作成日時:2024年3月9日 22時