110話 Y フクロウ。 ページ11
Y「すいません、コレ…」
「破けてしまったんですけど、大丈夫ですか？」
恐る恐る差し出した
ソレはどうやら…
……ただの"紙切れ"には
『大丈夫ですよ。』
Y「わっ、良かったぁ〜っ！」
成らずに、済みそうだった。
セロハンテープで
ぴっちり丁寧に留められた
その"チケット"を
あまりの嬉しさに
ギュッと胸に押し当てると…
『止まらないで、進んで下さ〜い。』って
そんな言葉にハッとして
コツン、コツンって、白いヒールを
私は会場の中に進めた。
……あの日
バスルームのゴミ箱の中から見つけた
真っ二つに破かれたコンサートチケット…
一生懸命、シワを伸ばして
綺麗にテープで貼り合わせた。
きっと、クシャクシャに破れて
傷付いてしまった彼の心を
繋ぎ合わせるみたいに…
丁寧に、丁寧に。
Y「きゃっ、ごめんなさいっ」
……慣れない程の人混みに
私はさっきらか
謝りっぱなしだった。
肩と肩が打つかる程に
沢山の人で、埋め尽くされた会場は
なんて言うか、圧巻で
それと同時に
怖い様にも思えてしまう…
『彼の人生は、彼だけの物じゃない。』
その事実を
私は身を持って感じさせられて居た。
……用意された席は
2階の1列目で
その席のチョイスが
なんだかテソン君らしくて
クスっと笑えた。
遠過ぎず、近過ぎず…
まるで、私達の距離感と同じ。
巨大なスクリーンには
絶えず彼等が映し出されてて
……そこに
一羽のフクロウが
現れた瞬間
一際大きくなった歓声に…
自分でも驚く程
肌が騒つくのを感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うずら(プロフ) - ゆきこさん» ゆきこさんもっ、2人で応援して下さるなんて…これは頑張らなければバチが当たりますね(*≧∀≦*)本当に励みになります、ありがとうございます！ (2019年11月21日 23時) (
レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - かおるんさん» かおるんさんッ！待っていて下さったんですね…感動します(T ^ T)本気で嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年11月21日 23時) (レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきこ(プロフ) - はーい！(^^)/ (2019年11月21日 21時) (レス) id: 85a8c05e44 (このIDを非表示/違反報告)
かおるん(プロフ) - もちろんでし♪ゆきこさん、(*≧∀≦*) 応援し続けましょー (2019年11月21日 21時) (レス) id: 318f1c501f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきこ(プロフ) - かおるんさん、一緒にうずらさん応援しましょうねー！ (2019年11月21日 21時) (レス) id: 85a8c05e44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うずら | 作成日時：2018年7月26日 1時
