干し鱈の憂鬱。 ページ49
「……はぁ〜っ」
憂鬱だ。
『ちょっとソラさんっ
さっきから溜め息吐き過ぎですよぉ！』
Y「だってぇ…」
『せっかくソラさんの快気祝いなのにっ』
そう言って
目の前のグラスに焼酎を注ぐのは
本屋で働く
可愛い私の後輩。
『てかソラさんっ
その彼と付き合って
もう、3ケ月以上も経ったんですよねっ？』
Y「……うん。」
『一体いつまで
勿体ぶるつもりなんですかぁっ』
Y「そ、それはっ」
『そんなモン取っといた所で
付加価値なんてつきませんよっ？』
''そんなモン''
Y「そうだけどさぁ…」
『じゃあ何で、
そんなに悩む必要があるんです？』
Y「……私、初めてだしっ」
『でも、その彼の事、本気で好きなんでしょ？』
Y「当たり前じゃんっ！」
『だったら早く
ヤっちゃえば良いじゃないですかぁ。』
''ヤッちゃえば''
Y「はぁぁぁぁ〜っ。」
『ほら、ほら、今日は悩まずに呑んで下さいよっ
''噂の彼''が迎えに来るんでしょ？』
Y「……うん、そう言ってる。」
『じゃあ酔っ払った勢いで
今日中に、あげちゃいましょう！』
Y「簡単に言わないでよぉっ
ひと事だと思ってっ！」
『あっ、店員さーんっ、焼酎2本追加でぇ
あと鳥の足も下さーいっ♪♪♪』
コンッと置かれた焼酎は
またしてもグラスの中に注がれて
何だ、かんだと
言いながらも
それをグビっと、飲み干した。
Y「あぁ、旨い、最高ッ」
……私は、やっぱり、こんな女だ。
高級レストランのワインより
屋台で呑む焼酎が好き。
家の中じゃ、
未だに高校時代のジャージを着てる…
全てにおいて
平均以下の
干し鱈のような、そんな女なのだ。
……だから
だから私は怖い。
ジヨンに''ソレ''を渡すのが。
Y「……別にさぁ〜っ
勿体ぶってる訳じゃないんらよぉ？」
''鼻に大根''だとか…
色々な噂話に
怖気付いてる訳でも無い。
Y「ジヨンの為ならぁ
鼻に大根くらい幾られも入れれるしぃ〜」
『……じゃあ、何で？』
だって、
だってさぁ
簡単に''ソレ''をあげちゃったら…
私、もう、
何も持って無いんだもん。
ジヨンにあげられるものなんて
他に何も、持って無い。
恋愛ってgive and takeなんでしょ？
貰うばかりじゃ
成立しない。
『やぁ〜、呑み過ぎだって…まったく。』
それでもジヨンは
私を愛し続けてくれる？
全てを
持ってる貴方には
きっと、干し鱈の憂鬱なんて
分からないでしょ？
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うずら(プロフ) - まりさん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます！！他の作品も読んでいただいてるんですね(*´Д｀*)まりさんの様に楽しんで下さる方が居ると思うと頑張れますッ！！ (2019年7月12日 21時) (
レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 最高です、、、めちゃくちゃ泣きました。。。他の作品も更新楽しみにしてます！ (2019年7月12日 11時) (レス) id: 50b87f1970 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - なすぴさん» その言葉に私が感動ですッ号(┳Д┳)泣 更新がんばりますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです！ (2019年1月15日 14時) (レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
なすぴ(プロフ) - 感動！！！！更新ずっと待ってます！！ (2019年1月15日 10時) (レス) id: 10ff8b7314 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ことりさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです(^-^) (2018年10月2日 7時) (レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うずら | 作成日時：2018年5月24日 15時
