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93話 ソラの居る場所 ページ43

『だんだん日も暮れて来て
もう、そろそろ帰ろうかって、そんな時に』


『小さな露店を見付けてね…』


『そこで、
ガラス玉の安い指輪を、彼が買ってくれるの。』





……あの日の
恥ずかしそうな、ソラの笑顔が



俺の背中を
ポンって、押す。





『今はまだ、安物しか買ってあげれないけど、いつか必ず、本物をソラの指にはめてあげる。』





君の細い薬指に
そう、未来を約束するのが





………いつだって、俺であるように。









G「すいません、コレ、下さい…」









道端に見つけた
小さな露店。


やたらに元気のイイおばちゃんが
「どれッ?」って


俺の視線を追い掛けるから




G「この…ガラス玉の指輪、下さい。」




そう言って



ダイヤみないに光る
小さなガラス玉がちょこんと乗った指輪を



そっと、指差した。



『ハイよっ、10000ウォンねぇ』



ポケットからは
ゲーセンで余ったクシャクシャのお札。



気持ち程度に
そいつの皺を手の平で延ばしてから差し出すと



『なに、これ彼女にあげんの?』



って、おばちゃんが
俺に指輪を渡しながら尋ねた。



G「あぁ…はい。」



『はは、喜ぶよ、きっと。
値段じゃないからね、
こういうのは気持ちが大事なんだからっ!』





………たった、10000ウォンの指輪。





他の誰かにとっては
チンケな玩具のガラクタだったとしても



ソラにしてみれば



この指輪こそが
願った''夢''そのもので



どんなに
高価な宝石よりも



キラキラと光り輝く、
愛のカタチだったのかも知れない。



G「……ありがと。」



何も、知らないおばちゃんが



『ほら、早く渡しに行ってあげな〜っ』



笑顔で俺に、そう言った。









G「ソラ、約束の指輪だよ…」









………早く彼女に、渡しに行けってさっ。






ねぇ、ソラ、





聞いてんの?





俺は、何処に行けばいい?




一体、
何処に行けば




コレをお前に渡せるの?






……宛も無く
フラフラと彷徨う街中で



俺の両脚を
ピタリと止めたのは




G「赤信号か。」




横断歩道に架かる信号の赤色だった。





手の平の中で




小さな鼓動が
トクンと、脈を打つ気がした…





G「……ソラ」





宛の無かった筈の
俺の両脚が



ゆっくりと、走り出す。




握り締めた
ガラス玉の指輪…


ポケットの中のツーショット写真。







……今、ソラの''居る場所''は

94話 ご両親、ですか?→←92話 君の夢は…



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設定タグ:ジヨン , G-DRAGON , BIGBANG   
作品ジャンル:恋愛
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うずら(プロフ) - まりさん» 嬉しすぎるコメントありがとうございます!!他の作品も読んでいただいてるんですね(*´Д`*)まりさんの様に楽しんで下さる方が居ると思うと頑張れますッ!! (2019年7月12日 21時) (レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
まり(プロフ) - 最高です、、、めちゃくちゃ泣きました。。。他の作品も更新楽しみにしてます! (2019年7月12日 11時) (レス) id: 50b87f1970 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - なすぴさん» その言葉に私が感動ですッ号(┳Д┳)泣 更新がんばりますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです! (2019年1月15日 14時) (レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)
なすぴ(プロフ) - 感動!!!!更新ずっと待ってます!! (2019年1月15日 10時) (レス) id: 10ff8b7314 (このIDを非表示/違反報告)
うずら(プロフ) - ことりさん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです(^-^) (2018年10月2日 7時) (レス) id: e04ce93e69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うずら | 作成日時:2018年5月24日 15時

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