rainy day 2 (ページ41)

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90話馬鹿正直な身体。ページ41

……ハナが俺のシャツを
クイって、引っ張ると

そこに少しだけ、顔を寄せた

その瞬間…

ふわって
彼女の匂いが、鼻をかすめて

ブルって
身震いする様な、あの感覚を

馬鹿正直な俺の身体は
一瞬にして、思い出してしまった…

''このままじゃマズイッ''って

D「ちよッッ‼」

咄嗟に押しのけたハナの身体が
「キャっ」て声と一緒に、少しだけバランスを崩して

直ぐ後ろの、ダイニングテーブルに

『カシャンッ』

って、軽い音を立てながら
手を着いて、止まったのが分かった。

D「ごめんッッ、ハナっ大丈夫ッ⁉⁉」

……俺、なんてザマなんだろう？

はぁ、いい歳して情けないよ
これじゃ男子中学生だっ

いや……

今時、中学生でも
こんな反応はしないよ……

Y「……あっ、へ、平気っ
少しだけ、驚いちゃっただけだからっ」

D「ごめん…本当に……」

ねぇ、やっぱり
今日の俺はおかしいよね？

自分でも、そう感じてるよ。

ハナも
気が付いてるよな？

だけど

その理由は、ハナなんだよ。

……ハナが、悪い。

ハナが
俺の夢に勝手に出て来るから、イケないんだ。

『何にも知りません。』って
純粋無垢な顔付きで

夢の中にまで現れて
俺の気持ちを揺さぶるハナは

本当に、意地悪だよ。

……俺ばっかりが

ハナを好きで
苦しくて。

なんか、今日は
ヤケに悔しくて、腹が立つ。

……ねぇ、君は一体
俺の事、どんな風に思ってる？

本当に『大切な友達』だと、思ってるの？

明け方の電話で
声を聴きたいって言ったのも

友達として？

俺のベッドに、入ったのは……
どうしてなの？

ねぇ、どうして？

……なんで
君はそんな事するんだよっ？

俺だって
『優しいだけのテソン君』じゃ

居られない時が、ある。

D「……ねぇ、ハナ。」

Y「何？」

だから
そうなる前に

D「俺、もう少しだけ
………この部屋、出ようと思うんだ。」

俺の手で
君の事、傷付けてしまう前に

俺達、もう少しだけ
離れてた方が、良いと思うんだ。