rainy day 2 (ページ5)

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55話散歩道。ページ5

D「ああっ、あんまり急ぐなよっ！
ほらっほらっコケるってっ…」

「キャッッ‼」

D「ッッッ‼‼
ちょ、大丈夫かよっっ⁉」

「…へへへっ。」

D「へへへっじゃないだろぉ～
気を付けなよっ、ケガしなかった？」

「……はしゃぎ過ぎだよっ、ハナっ。」

なんて言いながら
実は俺も、はしゃいじゃってんだ。

Y「だって見て、テソン君っ
月があんなにまん丸で大っきいからっ！」

D「本当ダッ！
……ハナの顔と一緒だねぇww」

Y「ッッ嘘！私ってあんなに丸いのっ⁉⁉」

D「えっ？まさか気が付いてなかったの？
ハナの顔はまん丸だよっww」

……そんな俺の言葉を真に受けて
ふくれっ面のハナは、早足だ。

俺はハナの少し後ろを歩きながら

サイズの合わないパーカーの
２つ折り返した袖から覗く小さな手に

何度も手を伸ばし掛けては

行き場を失くした自分のその手を
ギュッと、ポケットの中に仕舞い込む…。

こんな最高の夜に
君と手を繋いで、歩けたらいいのに。

D「…ハナ、さっきのは冗談だよ
怒ってんのっ？ねぇ？」

Y「………。」

D「何か、温かい飲み物でも買おうか？」

Y「えっ？本当ですかっ⁉」

ああっ、可愛いよっ
なんて君は単純なんだww

……2人して、自動販売機でココアを買って
ひと気の無い公園のベンチに腰掛けた。

D「寒く無い？」

Y「……大丈夫。」

D「もう直ぐ、冬が来るね。」

Y「うん、もう冬の匂いがしてるっ…
今日、バルコニーに出た時そう思ったのっ。」

……そうだね、俺も感じた。

D「……冬物の、服が要るよな？」

Y「……？」

D「ハナに、服を買わなきゃ
……春になったら、春物も…夏になったら夏物も。」

Y「……私、の？」

これじゃあ、まるで
君とずっと一緒に居たいって告白だ。

D「なかなかタイミングが無くてさっ
ちゃんと言えなかったけど…」

「……居れば…いいから。」

Y「………。」

D「俺の家に、居ればいいよっ。
記憶が戻らなきゃ、他に行く所もないだろ？」

Y「……本当に？」

D「うん、本当にっ。
……だけど、タダじゃないよっ？」

Y「えっっ！い、幾らですか…？」

D「うーんっ、そうだなぁ…1日3万ウォン？
三食昼寝付きなら、かなり良心的だろ？」

Y「あのっ、それってツケききますかっ⁉」

……あはははははっww
真剣な顔して、そんな事聞くなよっ。

D「……うそ、冗談だよww」

俺はまだ、好きな子をからかう癖が
治らないみたいだ。