rainy day 2 (ページ28)

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78話『ごめんなさい。』ページ28

……約2ヶ月間の、ドームツアー。

正直それに
助けられた気がした。

D「お待たせっ。」

自宅のマンションの前に待たせて居た車に
そう言って乗り込むと

ホッと小さく、息を吐いた。

マ「珍しく時間ギリギリでしたね？」

D「うーん……ハナをこんなに長く
1人にさせるなんて初めての事でしょ？心配でさっ…」

「アレコレ言ってたら遅くなっちゃったよww」

マ「あぁ、そうですよね
……ハナさん、寂しがってたんじゃないですか？」

D「………はは、だと、良いけど。」

あれから1ヶ月間
何て言うか、毎日を…とにかく必死に過ごしてた。

当然、ハナの顔を見るのも辛かったし

食欲もない癖に
用意された食事をペロリと平らげるのは

………もはや修行、いや、苦行。

そんな俺の姿は
ハナの目には、滑稽に映ったのかもしれない

男らしくないと
情け無いヤツだと……

D「……はぁ。」

ただ、どうであれ
ハナを本当に失う事よりは

……何倍も、何百倍も、マシだった。

どんなに、カッコ悪くても構わない
どんなに、自分を騙しても構わない

君を失うくらいなら
どんな風に思われたって、構わないと思えたんだ。

『……ハナは俺の、大切な友達。』

何度も、何度も
まるで呪文みたいに繰り返すこの言葉

だから、安心して？
ワンピースもハイヒールも、もう贈ったりしない

D「……はぁ。」

俺達は、友達なんだから。

マ「テソンさん、溜め息吐き過ぎです。」

D「溜め息くらい、好きに吐かせてよ…」

マ「……だいぶ重症ですね、そんなに寂しいんですか？」

D「んーっ、それともまた、少し違うよ。」

マ「………？」

D「俺……ハナに告白したんだ。」

マ「……そう、ですか…
それでハナさんは、何て？」

D「ハナも俺と、同じ気持ちだって。」

マ「………。」

D「……ははははっ」

マ「おめでとう、ございます。」

D「なーーんちゃってぇ～www
……ウソウソ、ウソだよっ驚いたっ？」

マ「えっ？」

D「告白したのは本当だけどさっ」

「……完全に、振られちゃったんだよ…俺。」

その言葉に
マネは、何でか

『ごめんなさい。』

って、小さな声で呟いた……

D「ははっ、謝んないでよ！」

その謝罪が持つ意味を
これっぽっちも分からないで居た俺は

重たい気持ちと
スーツケースを引きずりながら

ハナを1人、この国に残して
……日本行きの飛行機に、乗り込んだ。