rainy day 2 (ページ19)

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69話 Y 彼の瞳。ページ19

……平常心、平常心。

『今日、僕がここへ来た事は
……もちろん、テソンさんには秘密です。』

何も無かった、何も聞かなかった。

『僕も貴女の事は、決して会社には報告しません
だから貴女も、僕との契約を、必ず守って下さいね。』

……いつも通りに、笑顔で、明るく。

Y「……おかえりなさいっ！」

D「たっ、ただいまっ。」

……ほら、いつも通りに、見えるでしょ？

Y「外、寒かったでしょ？」

D「えっ⁉……あぁっ、車だから分かんなかったけど
昨日より、寒かったかもしれないね。」

Y「……風邪に気を付けなきゃ。」

D「うん、そうだね、へへっ。」

何気ない会話も、何気ない笑顔も
……彼の全てが想い出になる、その日まで

『ハナさんのその日が来るまで
僕も全力で、2人の生活を守ると約束します。』

私も、彼とのこの暮らしを、守りたい。

D「……ねぇ、ハナ…ちょっと、いい？」

Y「んっ？何ですか？」

D「あーっ、あのね……明後日の夜なんだけど
2人でさぁ、ご飯食べに行かないっ？」

Y「えっ？ご飯っ‼」

D「ふふふっ、嬉しいだろっ？」

Y「……凄く、嬉しい。」

D「……でね、その時ハナに
聞いて欲しい話が、あるんだけど…いい？」

モジモジと伏し目がちにそう言った彼は
まるで……恥ずかしがり屋の、小さな男の子みたい。

Y「どんな、話？」

D「まっ、まだ、内緒。」

ねぇ、テソン君
………私は、自意識過剰なのかも知れない。

D「でも……俺たち2人の話だよ。」

ただの思い過ごしなの？
私の、勘違い？

D「俺にとっては、凄く大切な話。」

ひょっとして貴方も
……私と同じ気持ちで、居てくれてるの？

D「明後日、ちゃんと伝えるから…待ってて。」

ザワザワと
何かが、私の胸を揺すってる

D「あっ、ちゃんとお腹を減らしときなよ？ww」

ニッコリと微笑んだ彼の瞳は
……私が彼を見つめる瞳と同じだった。

『愛しくて、堪らない。』

そんな瞳で……
彼も私を見つめて居ると、その時初めて、気が付いた。