rainy day 2 (ページ16)

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66話 Y 契約。ページ16

Y「………要するに、私は
ここを出ていけば良いんですよね…？」

マ「極論ですね。」

Y「マネージャーさんは
私にそれを、言いに来たんですよね…」

マ「………。」

Y「分不相応だと言うことは、十分理解できました…
私みたいな人間が、一緒に居られる様な人じゃ無いって
……そう、仰りたいんでしょっ？」

マ「……ハナさん？」

Y「そうですよねっ
私がマネージャーさんでも……同じ事をしたと思います。」

マ「……あの、ハナさん？」

Y「いいんですっ、最初から間違ってたんですッ！」

マ「いえっ、あの…ハナさん？」

Y「つい、彼の優しさに甘えてしまって……
……私、出て行きますっ、明日にもっっ」

マ「だからハナさんッッ！違いますよっww」

Y「………へっ？」

マ「はははっ全く貴女も
人の話を最後まで聞かない人なんですねっww」

「今すぐ出て行って貰うのは一向に構わないですが
テソンさんが黙ってませんよ……。」

Y「……あの、それは…どう言う？」

マ「……僕は、行く当ても無い女性を
ポイっと放り出す様な、そんな悪人ではありませんよ」

「……ハナさん、今のこの状況は、保護です。」

Y「……ほ、保護、ですか？」

マ「はい、記憶喪失の可哀想な女性を
いたたまれず、自宅に保護した心優しい青年…」

「……それが、テソンさんです。」

Y「……事実、そのままですね。」

マ「はい…今のまま……
2人の関係が変わらなければ、ですがね。」

Y「………？」

マ「先程言った通り、彼を取り巻く環境は特殊です
会社にこの事が知れれば……
きっとハナさんの存在は許され無いと思います。」

「普通の恋人なら、話は別ですが
素性の知れない貴女は、テソンさんにとって
確実に、大スキャンダルの種ですから……」

………大スキャンダル？

マ「言ったでしょ、貴女が既婚者なら不倫だし
況してや犯罪者なら、犯人を匿った共謀者だ…」

Y「……そっ、そんなっ」

マ「だからハナさん……
僕と、契約してくれませんか？」

Y「………契約、ですか？」

マ「はい、契約です。」

そう言うと彼は
私を見つめて、ニッコリと笑ってこう続けた……

『……まず彼に、特別な感情は、持たない事。』