95話彼の初恋。 ページ45
…えっ?
あーっ…
僕の初恋ですかぁ…
その質問、まだいりますっ?
あははは…
あーっはい、はい
話します、話します。
実は…この話
殆どした事が無かったんですけど…
…僕の初恋は
小学4年の時でした。
相手は教会で出会った女の子です。
…その子は
教会の外のベンチに
いつも1人で、ポツンと座ってました。
最初は、興味無かったんですけど…
そのうちその子が
いつも鼻歌を歌ってる事に気が付いたんです。
何…歌ってるんだろうって?
僕は、好奇心から
コッソリと聞き耳立ててやろうと思いました。
…そしたらっww
トロットなんですよっっww
子供ですよっ?渋いですよねっっww
やー、僕もトロットは好きだったから
何となく…興味が湧いて
いつも教会で
お母さんの知り合いから貰ってた
アメ玉を…
その子に渡したのが、切っ掛けでした。
…全然、喋らない子で
名前を聞いても答えないし…
…だから僕も
意地になっちゃって
自分の名前も名乗らずに…
でもっ、なんか気になっちゃうんです。
だから、ある日
その子にあだ名を付けてね…
真っ白な顔をして
痩せてて、細長かったから『トック。』
……それを聞いた『トック』は
『じゃあ、あなたは「サタン。」ねっ。』って
それが僕等の
初めて交わした会話らしい会話でした。
…僕等はいつの間にか
仲良しになりました…楽しかった。
ただ、僕は…
幼過ぎて分からなかったんです
トックが…
何であんなに
細い身体をしてるのか…
真っ白な顔して
1人ぼっちで…座ってたのか…。
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作者名:うずら | 作成日時:2017年4月26日 14時