夢で逢えたら。2 (ページ44)

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94話Ｙページ44

『俺の腕にも傷があるんだよ。』

…彼は
ベッドに転がりながら

私に、そう言った。

『俺達は、ラッキーだ。』

彼は…
何故か嬉しそうに

こんな話を、私に話し始めた…。

『これは、昔聞いた話なんだけどね。』

…俺達は、いつか必ず死んじゃうでしょ？

そうしたら、天国に行くだろ？

2人同時に行けたらいいけど…

きっと、それは難しいと思うんだ。
悲しいけど…どちらかが先に行く事になるよね？

…俺達は、約束する。

必ず天国で、また逢おうって…

たけど、天国に行くと
人は顔を無くしちゃうんだ。

自分の顔も、大切な人の顔も…
覚えてられないんだって。

…だから

天国で再会する事は、凄く難しいだ。

でも…俺達には
ちゃんと『目印』があるだろ？

たとえ、顔を忘れても…
俺達は、きっとまた、出会う事が出来る。

『俺は必ず君を探すから
君も…俺を、必ず探してよ…？』

Ｙ「…うん、約束する…。」

Ｄ「…約束だよ？」

Ｙ「…でも、私の傷は胸だから
貴方1人、1人のオッパイ覗いて回るって事？」

Ｄ「えっ///⁉⁉」

Ｙ「…許さないよ。」

Ｄ「違うよぉ～‼」

……その約束、絶対に守るよ。

必ず探してみせるから

あの夜…

繁華街の店先に
ポツンって座り込む

貴方を見付けたように…

私達は
いつだって、引き寄せてられる様に

出会ってしまうんだから。

私は…
信じてる。

この先もずっと
貴方と寄り添って生きる事を…

年老いて
再び天国で再会するまで。

だから、貴方も…信じてて…

私達…2人の、未来を。