85話D ページ35
…目を閉じた
彼女の睫毛が小さく揺れている…。
……このまま
本当に、キスしてもいいの?
俺達の、初めてのキスだよ…?
…夜の公園。
星が降るような浜辺…
うーん…貸し切りの観覧車ww?
君が…
いつまでも
思い出す度
胸をときめかせる様な…
そんな特別なキスにしてやりたいのに。
……はぁ。
『コツンっ。』と
目を閉じたままの
彼女のおデコに、自分のおデコを合わせる。
D「…ごめんね。」
不思議そうに目を開けた
彼女の視線と、俺の視線がぶつかると
Y「…何が…ごめんなの?」
少し…不安そうに彼女が尋ねた。
D「…君に何も、特別な事してやれてない…」
「本当なら…
もっと良いレストランで食事して…」
「デートして…
もっと、特別な思い出になるような…」
Y「…特別な?」
D「うん…。」
『…馬鹿だね…。』
彼女は俺にそう言うと
少し、呆れた様な笑顔をみせた…
Y「…どんなに美味しいご飯も…
どんなに、素敵な場所だって…。」
「一緒に居る人が
特別じゃなきゃ、意味ないでしょ?」
「…貴方と一緒なら
私にはどんな場所も、どんな事も…」
Y「1つ残らず、特別…なんだけど?」
『…貴方は、違うの?』
…そう言って
悪戯っぽく、彼女が笑った…
あぁ。そうか……
いつもの玄関が…
いつものリビングが…
いつものキッチンが……
君が居るだけで
俺の特別な景色になるんだ。
そうか、そうだよな…
俺達が2人なら
何だって…
特別な思い出に、なるんだよな…。
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作者名:うずら | 作成日時:2017年4月26日 14時