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70話Ｙ ページ20
…何から話せば、いいんだろ？
Ｄ「あっ、適当にその辺に座ってて！」
Ｙ「あぁ、うん…お邪魔します。」
…こんな部屋だったんだ……
この前は意識が朦朧で
全く記憶が無かったんだよね。
カチャカチャと忙しそうに
彼が何やらキッチンで準備してるww
あの後…
私達は、手を繋いで歩いた…
あの日駆け抜けた道を…
今度はゆっくりと、手を繋いで歩いた…。
何も喋らずに
ゆっくり、ゆっくり
お互いの存在を確かめるみたいに。
Ｄ「熱っ熱っっ‼」
Ｙ「っっ大丈夫っっ⁉」
Ｄ「…ぜ、全然っ大丈夫！
温かい飲み物がいいでしょっ⁉」
…温かい飲み物の為に、奮闘する彼は
私の想像よりも、おっちょこちょいで
とても可愛いくて…
そんな彼の後ろ姿に
ついつい私の顔は緩んでしまう。
繁華街から…
彼のマンションまでは
2人で、タクシーに乗った。
やっぱり、私達は何も喋らなかったけど…
あの交差点にタクシーが差し掛かると
どう言う訳か…
同じタイミングで、顔を見合わせてしまって
クスクスと2人で笑い合った。
彼は、その笑顔のまま…
ちょっとだけ俯くと
恥ずかしそうに、ポソッと呟いた。
『もう、俺の前から消えたりしないでよ…。』
その言葉に応えるように…
繋いだ手を
私は、少しだけ強く…握り返した。
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作者名：うずら | 作成日時：2017年4月26日 14時
