夢で逢えたら。2 (ページ14)

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64話Ｙページ14

…彼は現れる度に
私から、何か１つ奪って行く。

『携帯電話。』

『秋物のトレンチコート。』

『赤いマフラー。』

もう、いっそ…私ごと

奪って行ってくれたら、いいのに…。

あの日、彼はまた…
忽然と私の前から姿を消してしまった。

常識では考え難い現象が
きっと私達2人に起きているんだと思う…

彼は、もう気が付いていた？

私達に…何か特別な繋がりが有るんだろうか？

決して、夢なんかじゃ無い。

あの後、数日間
彼と私の写真が世間を賑わせてた…

日本行きの飛行機に乗った筈のテソンが
ソウルに現れた…しかも女を抱いてっ‼‼

出国と服も全部っ同じじゃん‼‼

スゲーそっくりさん⁉⁉

いや、どう見てもテソンでしょ…。

世間の意見は様々だったけど
結局、すぐに事務所が完全否定して

自体は呆気なく収束して行った。

…怪我して無かったかな…。

あんな風に助けてくれた彼に
私は、お礼の言葉さえ言えて無いのに…

時間だけが、ぐんぐん流れて
あの出来事を風化させてしまいそうで怖い。

…このままでいいの？

何もしないで、ただ待ってるだけ…
また、彼が現れる保証なんて１つも無いのに。

…あの日
彼がしてくれた様に

今度は、私が
彼に向かって走らなきゃ…

きっと、何も始まらないんだ。