夢で逢えたら。3 (ページ18)

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118話Ｄページ18

「あの声は、絶対に君だった。」

…何かに怯えたような声に
キュルキュルと響く、担架の耳障りな音。

俺があの頃…
意味も分からず見続けていたあの夢が…

今なら…はっきりと解る。

……あれは

彼女の心と胸に
消えない大きな傷を付けた

あの、事故だ……。

Ｄ「…凄く悩んだんだ、どう伝えるか。」

「思い出したく無かった…だろ？」

Ｙ「……ううん、平気だよ。」

Ｄ「…本当に？」

Ｙ「うん。」

Ｄ「正直、最初は嬉しかったんだ…
ずっと知らずに君の夢を見てたなんて…。」

「……今だって、本当は嬉しくて…」

「ダメな奴だろ…？」

『……私も、嬉しいよ…。』

彼女はそう言うと
向かい側に座る俺の顔を、優しく見つめた。

Ｙ「…あの日、
凄く怖かった事を覚えてる。」

「たった1人で、このまま死んじゃうんだ…
そう、思ってた…誰も側に居てくれないって。」

「…独りぼっち。
そう思うと、堪らなく怖くて…怖くて…。」

「だけど違ったんだね…
…貴方が、私の側に居てくれた。」

『夢の中で私の事を…見ててくれたんだね。』

……何、言ってるんだよ。

俺は何も分からずに…
ただただ、夢を見てただけなんだ。

君の手を握る事も…
声をかける事さえ出来ないで。

凄く、凄く、悔しいよ。

……それでも、喜んでくれるの？

Ｄ「…これからも、ずっと側に居るよ…
君の側で、君だけを見てくから。」

Ｙ「……私も…」

……離れかけてた
俺達の未来が

彼女のあの事故を切っ掛けに
また、ゆっくりと動きだしたんだっ。

神様、あなたは

残酷なのか、親切なのか…

君は、大きな物を犠牲にして

俺とまた…
こうして、出会ったんだな…。