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翌日、いつも通り仕事が終わり、
家に帰ると玄関に見慣れた靴が置いてあった。
あれ…来てるのかな?
私の合鍵を持ってるのはえいちゃんしかいない。
『えいちゃん来てたの?』
そう言いながら奥へ進むとベッドに座って、パソコンを開き編集をしているえいちゃんがいた。
私に気づいたのか、片方のイヤホンを外し、
「おかえりー」
そう言ってえいちゃんはまたパソコンに目線を戻した。
その姿がなんだか無性に愛しくて、
こうやって毎日寝る間も惜しんで編集を頑張ってるの知ってる。
ふさけてばっかでたまに呆れることもあるけど、
裏ではすごい頑張ってることちゃんと知ってるよ。
確かに昨日はそらくんのことを褒めちゃったけど、
『私が一番好きなのはえいちゃんだから、』
思わず呟いてしまったのを、ちゃっかり聞いていたえいちゃん(そうだった!片方のイヤホン外してた)
「なに急に(笑)どっかで頭でも打ってきた?笑」
相変わらず一言余計なんだから。
なんて思いつつ、ちゃっかり口元はにやけてるから許してあげよう。
その様子がなんだか可愛くて、えいちゃんの隣に座ってピタッとひっついてみる。
「なに(笑)うざいんだけど(笑)」
そう言いつつ、私を払いのけないえいちゃんはやっぱりツンデレだなー。なんて思っていると、
急にパソコンから目を離し、
私をじーっと見てきた。
『なに?笑』
「俺、そらのこと気にしてないから」
そう呟いてまたパソコンに目線を戻すえいちゃん。
あ。私がまずいと思って気にしてたの気づいてくれてたんだ。
相変わらず洞察力半端ないなって思いながらも
気づいてくれてたことに少し嬉しかったりもする。
『じゃあ、昨日言ってたあの企画はなしだよね?』
さすがにそらくんがかわいそうだよ。
なんて言う私の言葉にえいちゃんは動かしていた手を再び止めて顔を上げた。
「やめないよ?だって面白いじゃん(笑)」
ニヤリと笑いながらそう言うえいちゃんをみて、やっぱりまだ根に持ってるな。なんて思ったけど絶対に口には出しませんでした。
〜数週間後〜
スマホになにやら通知音が鳴り手に取ってみてみると、
アバンティーズの動画の新着のお知らせだった。
【400キロ離れた街へ置き去りにしてみた】
あ。ほんとに実行されてる。
『(そらくん、ごめん!お疲れ様…!)』
えいちゃんのまえでは、
思わぬ発言には気をつけよう。
そう強く心に決めた私でした。
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作者名:みほ | 作成日時:2019年2月17日 5時